Azure Purviewとは?
活用メリットと機能を解説

 

データ活用の推進のために、自社のビジネスに特化したデータ分析基盤の構築が必須となっています。データ基盤おいて最も重要なことの1つは、分散しているデータを統合管理し安全かつ効率的に活用すること、すなわちデータガバナンスを実現することです。データガバナンスをクラウドで実現したいというIT担当者も多いことでしょう。そのような方のために、Azure Purviewの特徴や活用シーンをご紹介します。

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本ブログはこんな方にオススメです

  • Azureを使ってデータ活用基盤を導入したい
  • Azure Purviewでできることを知りたい

 

1. Azure Purviewとは

Azure Purviewは、オンプレミスおよびSaaSを含むマルチクラウドに物理的に分散しているデータを一元的に管理し、統制する機能を提供する「データガバナンス」ソリューションです。データ検出の自動化、機密データの分類、データの発生から遡ってトレースするデータリネージ(系列または系統)などによりデータ環境の最新マップを簡単に作成できます。

これらの機能によりデータ利用者に対して、信頼できるデータを安全かつ効率的に提供することが可能になります。

データガバナンスによって期待すること

  1. データ利用者にとっては、必要とするデータを簡単に検索して、データの内容・使用目的・リネージ情報等を理解し、実際にアクセスできること
  2. データ作成者・管理者にとっては、データの内容・使用目的・リネージ情報を等を記載し、常に最新に保つこと
  3. セキュリティ管理者にとっては、セキュリティポリシーに基づいて、データを適切な関係者およびアプリケーションでのみアクセス可能とし、機密データが何か・機密範囲はどこまでかがわかること

Azure Purviewは、これらの課題の解決を目標として設計されています。企業は、Azure Purviewを活用することで、自社の情報資産から最大の価値を引き出すことができるようになるでしょう。

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2. Azure Purviewのメリットと機能

Azure Purviewには以下のメリットがあります。

  • データソースへのリンクとメタデータのコピーがクラウドに登録できることで、ユーザーのデータ検索とデータ内容理解が簡単になる
  • メタデータの充実が簡単に行えるため、使えば使うほどデータ理解が容易になっていく
  • データ検索とデータ理解が容易になった結果として、データの利活用が進み、ビジネスに好影響がもたらされるようになる

これらのメリットをもたらすAzure Purviewの機能とはどのようなものでしょうか。大きく、Data Map、Data Catalog、Data Insightsの3つの機能があります。

➊ Data Map -データを統一し意味をもたらす-

Azure Purview Data MAPのスクリーンショット

すべてのデータ資産とその関連をグラフ化するPaaSサービスです。データを検出し、そのデータへのアクセス管理のために使用されます。ビジネスユーザー向けの直観的なUIはもちろん、開発者向けのData Map操作用APIも提供されます。

 

 

 

 

 

❷ Data Catalog -信頼できるデータを簡単に検出-

Azure Purview Data Catalogスクリーンショット

ビジネスユーザーおよび技術ユーザーの双方に、用語集、分類、秘密度など様々な観点での検索を可能にします。ビジネス用語集管理などのデータ収集機能や、データ資産への自動タグ付け機能も提供されます。データリネージの視覚的な追跡も可能です。

 

 

 

 

 

➌ Data Insights -機密データを俯瞰-

Azure Purview Data Insightsスクリーンショット

 

主にデータ責任者やセキュリティ管理者向けに、盛んにアクセスされているデータはどれか、機密データがどれでどこにあるか、データがどのように移動されているかなどを一目で把握できるようにした機能です。

 

 

 

 

3. Azure Purviewと接続できるサービスおよびデータ形式

Azure Purviewは以下のサービスと連携することができます。

また以下のデータ形式が使用可能です。

AVRO, CSV, DOC, DOCM, DOCX, DOT, JSON, ODP, ODS, ODT, ORC, PARQUET, PDF, POT, PPS, PPSX, PPT, PPTM, PPTX, PSV, SSV, TSV, TXT, XLC, XLS, XLSB, XLSM, XLSX, XLT, XML

Azure Purviewを活用してデータガバナンスを実現するためには、以下の要素が必要になります。

  • データソース
  • メタデータ
  • カテゴリー
  • データの分類(ラベル)
  • ビジネス用語集

これらの要素は、Azure Purviewの3つのコンポーネント(Data Map、Data Catalog、Data Insights)を活用することで、すべて用意することができます。

Azure Purview 構成例

4. Azure Purview 費用の考え方

Azure Purviewの利用料金の概要を説明します。詳細は、https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/azure-purview/を参照してください。また詳細な見積は、営業担当者にご用命ください。

Data Mapの利用料金
まずData Mapの利用料金は、容量ユニット(CU)時間を単位とする従量課金となっています。1CUは、1秒当たり最大25のデータマップ操作の要求をサポートし、データ資産に関する最大10GBのメタデータのストレージを含みます。またData Mapの自動作成は仮想コア時間を単位とする従量課金となっています。ただしスキャンされるデータソースがオンラインのPower BIとオンプレミスのSQL Serverの場合は、無料(期間限定)となっています。

Data Catalogの利用料金
Data Catalogの利用料金は、データ資産の検索と参照およびビジネス用語集、データリネージの可視化はData Mapの料金に含まれます。ビジネスワークフロー、セルフサービスによるデータアクセスはプレビュー段階では無料です。

Data Insightsの利用料金は、すべてプレビュー段階では無料となっています。

5. Azure Purviewの始め方

Azure Purviewでアカウントを作成し、管理を開始する手順を概説します。

① Azure portalでAzure Purviewアカウントを作成する
(マーケットプレイスでAzure Purviewを検索して、作成することも可能)
・新しい[Azure Purviewアカウントの作成]ページの[基本]タブで、Azure Purviewアカウントを作成する
・Azureサブスクリプションを選択
・既存のリソース グループを選択するか、新しく作成
・Azure Purviewアカウント名を入力
・Azure Purviewアカウントとメタデータを保存するリージョンを選択(データソースは他のリージョンに配置可能)
・[確認および作成]を選択し、次に[作成]を選択

② Azure Purview Studioを開いて、管理を開始する
・Azure portalからAzure Purviewアカウントを開くか、直接リンクを入力してアカウントを選択する

詳細は、https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/purview/create-catalog-portalをご覧ください。前提条件として、Azureサブスクリプションが必要です。お持ちでない場合には、無料サブスクリプションを提供しています。

まとめ

データガバナンスの実現においては、それによって期待される価値の実現が難しいという技術的な課題があります。具体的には、

  • データ利用者にとっては簡単にデータにアクセスでき、かつデータの意味・内容がわかりやすいこと。
  • データ作成者・管理者にとってメタデータやカタログの作成・保守が簡単なこと。
  • セキュリティ管理者にとってデータの安全が保たれること
  • データ作成者・管理者にとって、データの内容・使用目的・リネージ情報等、常に最新に保つこと。

これらの課題を解決し、自社の情報資産から最大の価値を引き出したいユーザー企業にとってAzure Purviewは最適な選択肢の1つだと言ってよいでしょう。こうした技術的課題以外にも、データガバナンスの必要性が社内周知されていない、ポリシーが現実に合わず遵守そのものが難しいといった人的な課題も存在します。

人的課題と技術的課題の両方を解決し、スムーズな導入を進めるためには、データガバナンスを熟知したパートナーの支援が必要と考えられます。導入に関するご質問・ご相談は、データガバナンス構築経験の豊富な日商エレクロニクスにぜひお任せください。

 

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この記事を書いた人

Azure導入支援デスク 編集部
Azure導入支援デスク 編集部
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