日商エレでプリセールスを担当している河口です。
2017年9月末にオーランドで開催された「Microsoft Ignite 2017」に参加させて頂き、来場者2万人の熱気に晒されながら、今後益々クラウドの波が強まっていくことを体感致しました。
クラウドの良さを知れば知るほど、「これからのインフラ」をご検討のお客様に、オンプレミスとクラウドの良いとこ取りである「ハイブリットクラウド」という選択肢を積極的にご検討頂きたいという思いが強まります。ただ、「クラウドってなんとなく怖いよね」というイメージもまだまだあるかと思いますので、ハイブリットクラウド化を推進しているMicrosoft社の「Azure(アジュール)」について、日商エレならではの視点を加えつつご紹介させて頂きます!



Microsoftが提供するAzure(アジュール)って?

Azureが提供するクラウドのサービス形態

様々なクラウドサービスの選択肢がありますが、一般的にクラウドのサービス提供形態は、IaaS、PaaS、SaaSにカテゴライズされます。
(以下の図の通り、オンプレミス(左)からSaaS(右)になるにつれて、お客様による管理が不要となってどんどん楽に)

今回ご紹介するAzure は、IaaS / PaaSとして提供される様々なサービスを利用できます。

Azureでできること

Azureで提供されるサービスは、文字通り日々進化しており、凄まじいスピードでリリース/アップデートされています。仮想マシンやストレージ、ネットワークサービスからIoT、AI、マシンラーニングまで、サービス一覧を読むだけでも数日かかりそうなくらい種類は多いです。AWSなども同様で、これはパブリッククラウドならではかと思いますが、Azureの特徴としては、以下のような「ハイブリットクラウド環境を実現するサービス」を精力的に提供/アップデートしていることです。

  • オンプレミスからクラウドへの仮想マシン移動 “Azure Site Recovery (ASR)”
  • 「使わないデータはクラウドに」を実現するファイルサーバ”StorSimple”
  • Nutanixなどオンプレミス機器から収集したログを検索機能で簡単に参照できる”OMS”
  • クラウド上でVDIを展開し、オンプレミスのリソースも活用する”Citrix on Azure”


Azureが提供するサービス概要

機能がありすぎて、また次々とアップデートされるため、「全部把握した」という状態には一向になりませんが、クラウドと関わっていくには、常に・最新情報をキャッチし続ける、という意識がより強く求められると感じています。

Azureの理解を深める

Azureを理解するには、とにかくさわってみるのが一番です。Azureは1ヶ月の間、\20,500のリソースが無料で利用できますので、「Azureってなにができるの?」を理解するためにも是非1度使い、感動してください。
※オンプレミスでちょっとしたPoC環境を使いたいとき、ラック・機器の確保/ケーブリング/ネットワークの準備って地味に大変ですよね?Azureではクリックだけで、仮想マシンが使えるので、感動します(私はとても感動しました)

#無償版作成URL:https://azure.microsoft.com/ja-jp/free/
(Azureの無償版は、自動的に有償版になることはないのでご安心を)

Azureは専用ポータルサイト “”Azure Resource Manager (略称:ARM(アーム))”で操作できます。


Azure Resource Manager

直観的に理解できるUIですので、コマンドをガリガリ打つことに抵抗がある方でも問題なく扱えます。
※ARMの前身となるポータルに”Azure Classic Portal”がありました。ドキュメントなどでもたまに出てきますが、これからAzureを触る方は、ARMのみ意識いただければ問題ございません。

なお、「GUIはいやだ!」という方はコマンドで操作頂けるインターフェースもあります。

  • Azure Power Shell(Windows環境のみ)
  • Azure CLI(Windows、Linux、Mac)

上記はクライアント端末にモジュールのインストールが必要ですが、さくっとコマンド実行するだけなら、ARMからも実行可能です。

赤枠部分をクリックすることでARMからCLIを起動

Azureの課金

実際に本番環境で利用する場合、当然費用が気になるところです。
代表的なIaaSサービスである仮想マシン、ディスク、ネットワークの課金対象は以下となります。

コンポーネント 課金対象 備考
仮想マシン ・インスタンスモデル
・稼働時間
“ARMから”マシンを停止する
ことで課金が停止
※OSでマシンを停止しても課金が継続
ディスク ・ディスクタイプ
(HDD or SSD)
・ディスクサイズ
・トランザクション数
(HDDのみ)
・データの冗長性
(データセンター内 or データセンター間)
・ストレージは、ファイル、
オブジェクトなど用途に合わせて選択可能
・左記は、仮想マシンディスクを
対象とした場合の選択肢を記載
ネットワーク ・送信データ
(Azure データセンターから
出ていくデータ)
受信データ
(Azure データセンターに入るデータ)は無料

※実際はもう少し検討箇所がありますが、イメージを掴んで頂くために情報を絞っております

Azureデータセンターに入っていくデータに対して課金が無いので、オンプレミスからのバックアップによるデータ課金は発生しない点はありがたいですね。

月額利用料金の試算には、Microsoft社が提供している簡易料金試算ツールが利用いただけます。利用するサーバーのスペック、台数、ストレージ容量、その他オプション、サポートなどの値を入力することで、簡単に月額使用料の試算が可能です。

#料金計算ツールURL:https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/calculator/

Azure料金計算ツール

Azure上の利用課金は、サーバー系が8割程度を占めるため、仮想マシン、ストレージ、ネットワークなど代表的なコンポーネントの想定利用料金を試算することで、大きくずれのない価格感の把握が可能です。

また、課金アラートを設定し、しきい値に達した際にメールで通知することが可能ですので、人知れず使いすぎてしまう、ということは避けられます。(何度救われたことか、、、皆様も(マシンの)火のつけっぱなしはご注意ください)
※ARMから仮想マシン停止をスケジュール実行できますので、これを使えば問題なかったのですが、、


課金アラートはARMではなく”アカウントポータル”から設定

メールに飛んできた救いのアラート

Azureメリットは?

最後に、現在様々なクラウドサービスがありますが、Azureならではの強みについてふれていきます

強大なネットワーク

クラウドサービスでは肝となるネットワーク。Microsoftは積極的に投資し、現在世界でトップスリーに入る長さのバックボーンネットワークを保有しているとのこと。

世界中のAzureデータセンター。1つのAzureデータセンターは1つの「リージョン」とよばれる

Azureの魅力は、リージョン間でのネットワーク疎通は、この太いMicrosoftのバックボーンネットワークを通じて行われることです。これは、他のクラウドサービスとの大きな違いとなり、グローバルなサービス展開や、VDI環境で効果を発揮します。

また、Microsoftバックボーンネットワークは、Office365へのアクセス時にも利用できますので、VDI on Azureとの親和性が高く、VDIからo365上の大きなファイルにも高速にアクセスが可能です。

VDI on Azureの場合、Azure上の仮想デスクトップからo365へ高速アクセス可能

オンプレミスと連携したハイブリットクラウド構成が可能

Microsoft社はAzureについて「Global」、「Trusted」、「Hybrid」をメッセージとして打ち出していますが、Azureは様々な点でハイブリットクラウドの実現に最適です。色んな組み合わせパターンが考えられますので、別の機会にでもご紹介させて頂きますが、既に日商エレがご提案、PoCさせて頂いたケースや、お客様からご相談が多い例をご紹介します。

  • バックアップは必要でもコストをかけたくない、、、
    検討いただく例が最も多いパターンかと思います。Nutanixなどの製品であれば、ネイティブでクラウドへのバックアップ機能をもっているので、追加設備なしにAzureへバックアップ。オンプレミスにバックアップ用ストレージを購入し、運用/管理する必要はありません。

 

  • ちょっとずつクラウド化していきたい、、、
    いきなりすべての機器をクラウドにおくのはちょっと、、、というお客様は、Webサーバーなどフロント系サーバーのみAzureにIaaSとして展開し、DBなどのバックエンド系はオンプレミスにおいておく、というパターンでご検討されておりました。この場合、オンプレミスとAzureの間をVPNもしくはExpressRoute(ER)とよばれるMicrosoft社の専用回線サービスを使うことで、セキュアなネットワーク環境が実現可能です。

ERはオンプレミスとクラウドを専用線。Azureやo365へセキュアかつ高速にアクセス可能

  • DRサイトも必要だがコストが倍以上かかるのは厳しい、、、
    パブリッククラウドですので簡単にDRサイトの構築が可能です。(当然ユーザーのアクセス経路やシステムとしての継続性を考慮する必要あり)仮想マシンの稼働を止めれば課金が止まるAzureのメリット生かせば、低コストなDRサイトが実現できます。

 

  • クライアント仮想化の展開先としてAzure
    Citrix社が提供するXenApp、XenDesktopをAzure環境で実現する”VDI on Azure”は、VDIの運用の煩雑さや、基盤の複雑性を解消しつつ、クラウドの利便性を教授できるソリューションとして、多くのお客様にご相談/PoC頂いております。Azureは唯一Windows10クライアントが展開可能である点や、Office365をクラウドで利用できる数少ないプラットフォームであることも注目を集めている理由です。

セキュリティ

Azureはコンプライアンス対策やネットワークセキュリティ対策が備えられています。(後述)
また、脅威はデータセンターの外だけでなく、内側(例えば、悪意のあるオペレーション)によっても発生しますが、Azureデータセンター自体も、

  • 入館者の制限
  • 多層のセキュリティゲート
  • 自動化による人為的作業の削減

など様々な対策が取られています。
データセンターの外/内からの想定される脅威・最新の脅威に対して、常に対策し、アップデートし続けることは、オンプレミス環境で実現することはなかなかハードルが高いですが、そういった環境をクリックだけで利用できることもAzureならではのメリットだと感じています。

  • Azureが満たすコンプライアンス
    ISO 27001、HIPAA、FedRAMP、SOC 1、SOC 2などの国際的なコンプライアンスや国ごと(日本ではFISC)に適合
  • Azureデータセンターのネットワークセキュリティ対策 人工知能を用いたサイバー攻撃対策(DDoS/DOS/IDS)機能が標準動作。不正なトラフィックを自動検知・遮断する仕組みを導入 (また、これらの仕組みは常に最新のものにアップデート)

その他

取ってつけたような書き方になりますが、決してそんなことはありません!
日本のお客様にとってはとても重要なポイントになる2点を最後に挙げさせて頂きます。

  • 日本のAzureデータセンター利用時には日本の法律が適用される
  • 為替の影響を受けない

ご紹介の場ではあまり議論になりませんが、いざ導入を見据えてご検討いただく際には結構問題になってくるポイントかと。

いかがでしたでしょうか。
Azure全体の1割もご紹介できておりませんが、簡単に「Azureとは?」と「Azureのメリット」を書かせて頂きました。1人でも「Azureさわってみよう!」となり、私と同じくクラウドに感動頂ければ幸いです。次回はもう少し機能特化でご紹介したいと考えておりますので、よろしくお願いします。


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この記事を書いた人

河口信治
河口信治
オンプレミスエンジニアとして活動していたが、今やクラウドの世界に魅せられたプリセールス
自分が感じたクラウドの良さをお客様にお伝えしつつ、できれば当社の商材もご紹介できれば嬉しいなと思いながら、昼夜悶々と情報収集
現在、VDI on Azureのご紹介コンテンツや、PoC/本番環境導入サービスをMicrosoft様と協業し、ご提供しておりますので、VDI環境でお悩みのお客様は是非当社までご連絡ください。