Microsoft のDaaS「Windows Virtual Desktop(WVD)」が日本でサービス開始となり、多くの方がDaaSのご検討/導入をスピードアップされていらっしゃいます。

DaaSを検討されるにあたり、皆様PoCを実施してから本番導入、といった流れがほとんどです。

PoCの際に、既にクラウドとの専用回線(AzureだったらExpress Route、AWSだったらDirect Connect)を引いていらっしゃるお客様は、クラウドとの接続はVPNと比較し、やはり専用回線がいいね、と大抵なります。で、Express RouteはないけれどDirect Connectは既にあるお客様の場合、新規でExpress Routeのための専用回線を引くとその分コストがかかるので、トータルコストを考えてAmazon AWSにしよう!と判断されるケースが少なくありません。

でも実は、もう少しじっくり積算したほうが良いかもしれません・・・・!

先月クラウド環境におけるVDIを利用するにあたり必要なWindowsクライアントライセンスとVDAライセンスの考え方が変更されたことにより、新規でExpress Route引いた場合でもAmazon AWSを選択するよりコストが下がるケースが実は多いのです。

「既にAWSの専用回線(Direct Connect)を既に持っている場合」、本当にAzure、AWSのどちらのDaaSがコストが下がるのかシミュレーションしてみます!

Windowsライセンスの考え方

まず、今回の費用比較のポイントとなる、Windows EnterpriseライセンスとVDAライセンスの考え方についてご紹介します。

VDI環境では、Windows クライアントOSに対してリモート接続するためのライセンスが必要になり、それをVDAライセンスと呼びます。
しかし、接続する端末がWindows の場合、Windows7/10 Enterprise E3/E5のエディションの中にVDAライセンスの機能も包括され、リモート接続することが可能です。

今までは、Azure、AWSを利用したDaaSの提供を受けるためには、上記いずれかのライセンスを適用すればOKでした。ところが、2019年10月より、AWS環境に関してはWindows Enterprise E3/E5の利用が適用されず、VDAライセンスのみ適用に変更となりました。
後ほど価格は出てきますが、VDAライセンスの方が月額費用が高くなります・・・。

2019.9以前
オンプレミス環境・クラウド環境ともに適用可

Microsoft Azure Amazon AWS
共有型ホスト Windows Enterprise E3 / E5
Windows VDA E3 / E5
NG
※一部運用可
占有型ホスト Windows Enterprise E3 / E5
Windows VDA E3 / E5
Windows Enterprise E3 / E5
Windows VDA E3 / E5

※クラウド環境はPerUserのみ

2019.10.1以降
専用クラウドサービスではVDAラインセンスのみに変更

Microsoft Azure Amazon AWS
共有型ホスト Windows Enterprise E3 / E5
Windows VDA E3 / E5
NG
※一部運用可
占有型ホスト Windows VDA E3 / E5 Windows VDA E3 / E5

※2019年10月1日以内に購入されたライセンスについては、購入時のライセンス条項が適用
ライセンス更新後、更新時のライセンスが適用される

あらためて、DaaSに必要なものとは?

それではあらためて、パブリッククラウドを活用してDaaSの提供を受けるために必要な費用をおさらいしましょう。

仮想マシン費用

VDI環境は、サーバー上にWindowsを稼働させて使用するので、クラウド上で稼働させるサーバー、仮想マシンの利用料が必要になります。
こちらは、月額で稼働させて分だけの請求される「従量課金制」と呼ばれる費用形態になります。※年額で契約することによって、ディスカウントを受けられる仕組みもあります。

Windows クライアントライセンス

上記でご説明した通り、リモート接続する際に必要となるライセンスです。
こちらは、月額で固定の金額となります。

Officeライセンス費用

Officeアプリを利用する場合は、Microsoft 365のApps for enterpriseエディションが必要です。

管理プレーン

VDI利用に必要なコネクションブローカーや、ゲートウェイといった要素が含まれます。ユーザはデバイスからこの管理プレーンを経由してセッションホストVMにアクセスします。
利用するサービスによって、構成、費用が異なってきます。

回線費用

VPN接続や、専用線など選べます。

運用費用

自社で運用するか、運用事業者によって費用やサービスが異なります。

主なランニング費用

Microsoft Azure Amazon AWS(占有型ホスト限定)
仮想マシン費用 VM単位で必要な分だけ
その他必要なサーバを必要分
必要なリソースを収容できる分のスペックのホスト単位で必要
その他必要なサーバを必要分
Windowsクライアントライセンス Windows E3以上(ユーザーライセンス):

月額760円~

VDA E3以上(ユーザーライセンス):

月額1360円

Officeライセンス費用 Microsoft 365 Apps for enterprise
・所有しているOffice 365 ProPlusライセンスを流用可能
・新規購入の場合、1ユーザ当たり月額:1310円(スイート等により費用圧縮可)
・サービスプロバイダー事業者により価格が異なる
・Amazon WorkspacesのOfficeオプションの場合:月額15ドル
管理プレーン ・マネージド:WVD / Citrix Cloud / Horizon Cloudなど
・IaaS上に個別構築
・Windows Vitural Desktopの場合には無線(Windows E3のなかに包含)
・その他はサービスごとに異なる
・マネージド:Amazon Workspacesなど
・IaaS上に個別構築
・サービスごとに異なる
回線費用 回線会社により異なる 回線会社により異なる
運用費用 自社もしくは運用事業者により異なる 自社、運用事業者により異なる

AzureとAWSのコストシミュレーション

では冒頭に述べました「既にAWSの専用回線(Direct Connect)を既に持っている」場合についてコストシミュレーションをしてみます。

もちろん小規模ですと、新しく引いて毎月のコストのことを考えると既に持っている回線を利用したほうが良いですが、ある程度ユーザ数を見込むのであれば、そんなことはなくなってきます。
それでは何ユーザぐらいからその効果が出てくるのかシミュレーションしてみましょう。

—————-<比較前提条件>—————-

■ Microsoft AzureのDaaS「Windows Virtual Desktop(WVD)」とAmazon AWSのDaaS「Workspaces」で比較する
■ 前項の以下については同額で費用がかかると仮定(厳密にはそうはいきませんが)
・仮想マシン費用
・管理プレーン費用
・運用費用
■ Microsoft 365は使わない
——————————————————

この場合、クライアントライセンスについては以下のとおりです。

Windows Virtual Desktop(WVD)はAzureなので共有型ホスト・・・Windows Enterprise E3が必要
AWSは専有型ホスト・・・Windows VDA E3が必要

Windows 10 Enterprise E3の市場価格はおおよそ・・・月760円/ユーザ
Windows VDA E3の市場価格はおおよそ・・・月1360円/ユーザ

⇒Windows 10 Enterprise E3 とWindows VDA の差額は600円/月ですね。

また、ご参考までに当社のExpress Routeサービス(500Mbps)は月372,000円です。
⇒Express Routeの372,000円を600円で割ると620ユーザーです。

つまり、621ユーザ以上の場合、既に専用回線を持っていたとしても、月額コスト新規でMicrosoft Azure上にVDIを構築するより、
Amazon AWSで構築する方が高くなってしまいます。

<WVD(クライアントライセンスと新規回線費用)>
760円 × 621ユーザ + 372000円 = 843,960円

<AWS(クライアントライセンスのみ)>
1360円 × 621ユーザ = 844,560円

ですので、600ユーザぐらいの規模でご検討されるのであれば、既に専用回線を持っていたとしてもMicrosoft Azureの方がコストメリットがでてくるようです!

さいごに

もちろんAzureと他パブリッククラウドではそもそもの利用料が違いますし、専用回線も帯域や回線事業者様ごとに金額設定が異なりますし、その他の運用コスト等もきっちり考慮する必要があります。
DaaS検討しているけど、このあたりまだよくわからない、本当に必要なものは他に何があるの?ほんとうの意味でのトータルコストは結局いくら??実際の操作感は?些細なことでも構いませんので、何でもお気軽にご相談ください!

ちなみに、オンラインでもMicrosoft Azureを活用したWindows Virtual Desktopの参考費用が分かります。簡単な情報を記入するだけですので、ぜひお試しください。

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