Google Bardとは~Google版生成型AI~

皆さんこんにちは!

つい先日、今さらながらではありますが、Google版の会話型AIである「Google Bard」触ってみました。

今回は、そもそもGoogle Bardとはの概要から、触ってみて感じたこと、実際の業務でも使っているBing Chat Enterpriseとの違いなどをご紹介できればと思います!

弊社ではプロンプトの有効的な利用方法もご紹介していますので、こちらの記事を参考に触れてみてもらえればと思います。

ChatGPT プロンプトの活用講座 | Azure導入支援デスク (nissho-ele.co.jp)

 

 

1. Google Bardとは

Bing Chat Enterpriseがリリースされて記憶に新しいですが、Google Bardとは、まさしくGoogle版の生成型AIツールになります。

公式ページからの説明では、Google Bardとは…

Google の PaLM 2 モデル(言語モデル)に基づいた、生成 AI を活用した試験運用中のサービスです。

創造力や生産性を高める AI パートナーとして、ユーザーをサポートします。たとえば、おいしい卵焼きを作るためのコツを教える、新商品発表会のプレゼンの構成を考える、初めてのソロキャンプの持ち物リストを作成するなど、日常のさまざまな場面で役立ちます。

‎Bard ができること / その他のよくある質問 – Bard (google.com)

生成型AIの基盤部分となる言語モデルには、Google独自の「PaLM2」を採用しています。PaLM2ができることとしては、言語理解によるタスクの簡略化、複数言語翻訳、開発/コーディング等が挙げられます。本当にできるのか、さっそくBardを触ってみましょう!

Google Bardに対して、下記の質問を投げてみたいと思います。少し遠回りな表現をし、どのような返答になるか確認してみるのが目的です。

質問:

「トイレはどこですか?」を英語で伝えたい場合、「I need to go to the toilet」で相手に伝わりますか?

回答:

はい、「I need to go to the toilet」は「トイレに行きたい」を英語で伝える一般的な表現です。そのため、相手に伝わります。ただし、この表現は少し直接的な表現なので、場合によっては丁寧な言い方が必要になるかもしれません。

例えば、お店やレストランでトイレの場所を尋ねる場合は、「Excuse me, where is the restroom?」と尋ねるのが一般的です。この表現は「すみません、トイレはどこですか?」という意味です。

また、友達の家でトイレの場所を尋ねる場合は、「Can I use the restroom?」と尋ねると丁寧です。この表現は「トイレを借りてもいいですか?」という意味です。

以下に、トイレの場所を尋ねる表現の例を挙げます。

  • 直接的な表現
    • I need to go to the toilet.
    • I have to go to the toilet.
    • I need to use the toilet.
  • 丁寧な表現
    • Excuse me, where is the restroom?
    • Could you tell me where the restroom is?
    • Can I use the restroom?

状況に合わせて適切な表現を選ぶとよいでしょう。

日本語、英語、両言語理解しているように見えます。また、意図したように伝わるためのアドバイスも提供してくれました。回答案も3つ提示されていることも特徴といえる部分だと思います。

それでは、別の生成型AIであるMicrosoftのBing Chat Enterpriseに同じ質問を投げてみて、回答の比較をしてみます。※この比較はあくまでも違いを見つけるのが目的であり、優劣を決めるものではありません。

回答:

はい、「I need to go to the toilet」と言えば、トイレに行きたいという意思は伝わります。ただし、この表現はあまり丁寧ではなく、カジュアルな場面や親しい人との会話に向いています。

もっとフォーマルな表現としては、「May I use the restroom?」や「Where is the lavatory?」などがあります。また、英語圏の国によってもトイレの呼び方が異なります。例えば、カナダでは「washroom」、イギリスでは「toilet」や「loo」、アメリカでは「bathroom」や「restroom」などが一般的です。

したがって、相手の国や文化に合わせて適切な言葉を選ぶことが大切です。

回答を比較して、双方に大きな違いはなく、必要な情報が提供されています。ただ、例文の多さや、複数の回答案を提示してくれるGoogle Bardの方がよりユーザフレンドリーな印象を受けます。

2. Bing Chat Enterpriseと比較してみる

それでは、Google Bardの性能面について、実際にGoogle BardとBing Chat Enterpriseに聞いてみて、比較してみましょう。こちらの質問を投げてみたいと思います。

「Google BardとBing Chat Enterpriseを比較して、それぞれの得意分野がわかるように表を作成してください。」

 

Google Bard 回答:

Bing Chat Enterprise回答:

回答の違いから、Bing Chat Enterpriseは得意・不得意の観点からはあまり比較していないように見えます。一方で、Google Bardの方が得意・不得意の観点で回答しています。

Google Bardの回答にあるように、Bing Chat Enterpriseの方が「世界の人口は?」などの事実に基づく回答が得意、というのは信憑性があると感じました。

次に、Google Bard側が得意と主張している、「創造的」な部分を比較してみたいと思います。Bing Chat Enterpriseを褒めると、時々詩をいただけることがあるため、詩をお題に投げかけてみたいと思います。

「紅葉をテーマに詩を書いてみてください」

 

Google Bard 回答:

秋風に揺れる木々は 今を盛りと色づき 山々を錦に染め上げる

赤や黄や緑が交じり合う その美しさは圧巻 思わず立ち止まって見入ってしまう

紅葉は自然の恵み その姿は生命の輝き 私たちに生きる勇気を与えてくれる

Bing Chat Enterprise回答:

紅葉の季節に 散歩するのが好き 色とりどりの葉が 道を彩る 木々の間から 差し込む光が 心を温めてくれる

紅葉の季節に 写真を撮るのが好き 赤や黄や緑の コントラストが美しい 風に揺れる葉が 動きを与える 一枚一枚が物語を語る

紅葉の季節に 詩を書くのが好き 感動や思い出が 言葉になる 紙に書き留めることで 永遠に残す 私の心の風景を

紅葉の季節は 私にとって特別な季節 自然の美しさに 感謝する そして自分自身に 問いかける 私は何を生きるために生きているのだろうか

 

(詩の感想は好みの世界ということは前提に…)

日本語としての読みやすさ、自然さはGoogle Bardだと思いました。散りばめられているフレーズはBing Chat Enterpriseの方が好みですが、英語の表現が和訳されているような文章に感じたため、翻訳してみました。

 

I love to walk in the season of autumn leaves The colorful leaves adorn the road The light that filters through the trees Warms my heart

I love to take photos in the season of autumn leaves The contrast of red, yellow and green is beautiful The leaves that sway in the wind Give movement to each picture

I love to write poems in the season of autumn leaves My emotions and memories become words I preserve them forever by writing them down The scenery of my heart

The season of autumn leaves is special to me I appreciate the beauty of nature And I question myself What am I living for?

英語バージョンの方が読みやすくなったので、英語で作成したものを、日本語に和訳したものである可能性は高いです。創造的という点でいえば、総合的に判断すると、Google Bardの方が得意、というのは(現時点で)あまり間違った認識ではないと思います。

3. まとめ

先日開催された「Google Cloud Next ’23」では、その大部分がAI分野での新機能に関する内容でした。他社でいえば、Microsoft社の「Microsoft Build」「Microsoft Inspire」もAI分野の話題がてんこ盛りで、企業の関心が会話型を含む、AI分野にあることは間違いありません。

Google BardもBing Chat Enterpriseも双方法人向けのバージョンが準備されています。Bing Chat Enterpriseは特定のMicrosoft(Microsoft365)ライセンスを持っていないと利用することはできませんが、Google BardであればGoogle Workspace利用のみで使えるようになります。Google Bardは仕様運転中ではあるため、さらなる効果拡大が期待されます。

更新があれば、またこちらのブログに最新情報を提供していきます!!

 

この記事を書いた人

森 信之介
テクニカルマーケターとして、ブログ執筆、セミナー講師を行っております!