オンプレ仮想化環境(VMware vSphere環境)をクラウド化、有効なAzureソリューションとは??

昨今クラウド化が一般化していく中、オンプレミスでVMware vSphereにより仮想マシンを運用している企業様も例外ではないかと思います。
2023年10月にWindows Server2012のサポートが終了されるなど、既存オンプレミス環境を移行する必要性に迫られているケースも散見されます。
しかしクラウド化にあたりさまざまな要因からクラウド化を躊躇されている企業は多いのではないでしょうか。

たとえば、 Windows Server 2000,2003 などのレガシーOSが動いている、IPアドレスが変えられない、 業務で使用しているサーバーを無停止で移行したい、ハードウェアの保守切れや EOS に素早く対応したいなどといった要因が考えられます。

そういった課題をAzureでマルっと解決するには、「Azure VMware Solution(AVS)」の活用が有効です。本稿では、VMware vSphereのクラウド化に有効なAzure VMware Solution(AVS)について、その特徴やユースケース、基本構成、ネットワーク構成などについて紹介します。



1.オンプレミスからの4つの移行方針とは

オンプレミス環境にて運用しているシステムについて、保守切れ・サポート切れなどを理由として移行が必要となった場合、基本的には以下の4つの移行方法から選択することになります。

  1. 延命:延長保守サポートなどを活用して延命する。
  2. アップデート:ソフトウェア・OSなどのバージョンをアップデートして利用を継続する。
  3. リアーキテクト:アプリケーションの設計を大きく変更し、最新技術へ置き換える。
  4. リホスト:既存のアプリケーション実行環境をそのままクラウド環境へ移行する。

オンプレミスからの4つの移行方針とは

オンプレミスの資産状況やシステムの重要性などにより最適な選択肢は異なりますが、特にオンプレミスで稼働しているVMware vSphereをリホストやリアーキテクトによりクラウド化する際に、有効なAzureソリューションが「Azure VMware Solution(AVS)」です。

 

2.Azure VMware Solution(AVS)とは?

Azure VMware Solution(略称:AVS)は、Microsoft Azure内で提供されるVMwareの仮想環境です。AVSは、オンプレミスのVMware vSphere環境をクラウド化する際に有効な選択肢となります。以下では、AVSの主な特徴を紹介します。

特徴①:Microsoftの1st Partyサービスとして提供

AVSはVMware社による正式な認定・認証を受けたサービスでありつつ、Microsoftの1st Partyサービスとして提供されます。これらの体制から、Azure及びVMwareのクラウド環境特有のインシデントにも対応しやすく、またMicrosoftとVMwareのエンジニアが連携した一元的なサポートが提供されます。一方で、窓口は一貫してMicrosoftとなるというメリットもあります。
また、AVSはAzure上で動作するため、Microsoftが提供するソフトウェアの各種特典を活用することができます。具体的には以下の通りです。

  • 拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)
    SQL Server 2012 | R2、Windows Server 2012 | R2の、セキュリティ更新プログラムを無償で提供させていただくものとなります。
  • Azureハイブリッド特典(AHUB)
    オンプレミスのSA付きのWindowsサーバーやSQLサーバーのライセンスをAzureで使えるものとなります。
  • 予約インスタンス(RI)
    長期のご利用でしたら、1年または3年予約をつかっていただくことで大幅な割引になります。3年予約で53%の割引が可能となっています。

特徴②:オンプレミスのVMware vSphereと高い互換性を備える

AVSでは、VMwareの機能をオンプレミスと同様に利用できます。vSphere ClientやPower CLI、 NSX-T Managerなどの機能はもちろん、VMwareエコシステムで提供されるVMware toolsや任意のサードバーティーツールも使用可能です。
システム管理者はAVSにおいてもオンプレミスと同様の方法で運用を実現できるため、社内で蓄積してきたスキルセットも無駄になりません。

特徴③:Azureネイティブサービスと統合可能

AVSはAzure上で提供されるサービスであるため、Azureが提供する以下のような各種サービスと統合して利用できます。

  • 運用管理:Azure MonitorやAzure Log Analytics、Azure App Insightsによるアプリケーション・仮想マシン・ネットワークの監視
  • データ保護:Azure Backupによる仮想マシンのバックアップ
  • セキュリティ:Microsoft Defender for Cloud、Microsoft Sentinelによるセキュリティの強化・脅威の検知
  • アプリケーション基盤:Azure Application GatewayによるWebサーバー外部公開や、モダナイズしたデータベースをSQL Databaseで活用

セキュアなハイブリット環境災害対策環境として

 

AVSの主なユースケース

上述の通りVMware vSphere環境のクラウド化に様々なメリットがあるAVSですが、具体的にはどのようなユースケースが考えられるのでしょうか。

クラウド化のきっかけとして

ひとつは、AVSの導入をきっかけに自社システムのクラウド化を進めるような利用方法です。AVSではIPアドレスなどオンプレミス環境と同一の環境を維持しつつ、無停止でも移行が行えるなど、移行作業が比較的容易です。AVSの導入によりクラウド化のメリットを確認しつつ、本格的に自社システムのクラウド化を進めることも検討できるでしょう。

セキュアなハイブリット環境 / 災害対策環境として

もう一つは、セキュアなハイブリット環境の構築や災害対策です。オンプレミスとAzure間をExpressRouteやVPNで接続してL2延伸・L3接続することで、双方向で仮想マシンを移動できるため、セキュアなハイブリット環境を構築できます。
また災害対策として、オンプレミスでの継続運用が難しくなった場合にクラウド側で仮想マシンを起動し、復旧するような利用方法も有効です。

Azureネイティブサービスと統合可能

 

AVS + IaaS・PaaSでの活用

さらに、AVSをAzureのIaaSやPaaSなどと合わせて利用することもできます。新規VMや移行可能なVMについては、Azure IaaSで稼働させます。これにより、システムをモダナイゼーションします。また、新規で開発するアプリケーションについてはPaaSを利用し運用工数を削減します。
一方で、既存VMについて要件によりAzure IaaSへの移行が難しいケースもあります。これらの要件にも、AVSであれば対応することができます。

Azureネイティブサービスと統合可能

 

3.AVS基本システム構成

以下では、AVSの基本的なシステム構成について紹介します。
AVSの基本構成は下図の通りです。オンプレミスとAzureの間は、ExpressRouteまたはVPNで接続します。Azureのバックボーンネットワークを経由し、AzureのVNETやAzure IaaS、またAzureの各種PaaSサービスなどへアクセスできます。

AVS基本システム構成

 

AVSの基本料金には下図の赤枠のパッケージが含まれます。料金体系については、「1時間単位の従量課金」または「1年間 or 3年間の予約インスタンス」から選択できます。一般的には、コストメリットのある3年の予約インスタンスを選択するケースが多いといえます。

AVSは最小で3ノード構成から選択できます。それ以上は1ノード単位で追加や削除が可能です。ノード数の最大はクラスターあたり16ノード、プライベートクラウドあたり96ノードとなります。

AVSの基本料金

 

なお、AVSのライセンス詳細については以下のAVSライセンスガイドも参照ください。

AVSライセンスガイド
https://download.microsoft.com/download/a/d/0/ad0dd99b-6c5e-4c78-8a61-491135662c51/AVS_License_Guide_Public_Edition.pdf

 

4.AVS導入におけるネットワーク設計

以下では、AVS導入における2つのネットワーク設計パターンについて紹介します。

①Express Routeを利用するケース

Express Routeを利用する場合のネットワーク構成は下図の通りとなります。
AVSを展開すると、環境ごとにエッジルーターが設定されます。このエッジルーターの費用はAVSの基本費用に含まれます。
続いて、Express RouteのGlobal Reach接続によりExpress Routeとエッジルーターを接続します。Global Reach接続においては、トラフィックに対して費用は課金されません。

AVSネットワーク構成図(Express Routeを利用するケース)

 

②VPNでオンプレミスとAzureを接続するケース

次に、VPNでオンプレミスとAzureを接続するケースをご紹介します。

同様に、環境専用のエッジルーターが設置されますが、エッジルーターからオンプレミスへ直接VPNで接続することはできません。代替策として、AzureのVirtualWANを利用し、VPN接続を実現します。VirtualWANは、ネットワーク、セキュリティ、ルーティングなどの機能を一括して提供するソリューションです。

VirtualWAN上にExpress Route GatewayとVPN Gatewayを設置することで、VirtualWAN経由によりオンプレミスとAVS間のトランジット接続を実現します。

VPNでオンプレミスとAzureを接続するケース

 

5.まとめ

この記事では、VMware vSphereのクラウド化に有効なAzure VMware Solution(AVS)について、その特徴やユースケース、基本構成、ネットワーク構成などについて紹介しました。AVSは比較的クラウド化が容易な仕組みであるため、自社のクラウド化の第一歩としても有効です。

日商エレクトロニクスでは、AVSをはじめとしたAzureの豊富な導入実績をもとに、企業のクラウド化を支援しています。個別相談会や無償のAzure移行診断サービスも実施していますので、VMware vSphereのクラウド化を検討している方や、自社のインフラ基盤をクラウド移行したいと考えている方はぜひお問い合わせください。

 

また参考資料(「Microsoft Azureで実現するVMware vSphere環境のクラウド化とは?ご紹介​資料」)もご用意しております。ぜひご活用ください!
Microsoft Azureで実現するVMware vSphere環境のクラウド化とは?


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この記事を書いた人

NE + Azure 編集部
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