.Next On Tour Tokyo 2023 キーノートまとめ

 

.Next On Tour Tokyo 2023とは、Nutanix のグローバルイベントの日本版です。Nutanixは、ハイブリッドマルチクラウドをシンプルにするソフトウェア企業で.Next On Tour Tokyoでは、Nutanixのビジョンや戦略、最新の技術動向、製品ロードマップ、ユーザー事例など様々な情報をご紹介するとともに、参加者同士の交流の場として開催されました。

 

今年は、2023年9月22日(金)に赤坂インターシティコンファレンスで開催され、基調講演では、脳科学者の茂木健一郎氏が「AI とクラウドでビジネス変革をもたらすために必要な脳力」について登壇しました。その他にも、Nutanixのキーノートセッションやブレイクアウトセッション、パートナー企業とのジョイントセッションなどが行われました。

.NEXT On Tour Tokyo : 〜Run Everywhere〜 アプリとデータをあらゆる場所で (nutanix.com)

 

今回は、脳科学者の茂木健一郎氏が語る「AI とクラウドでビジネス変革をもたらすために必要な脳力」についてご紹介したいと思います。

 

AIと共存する人々の生き方、仕事の仕方について

AIの登場により100年に一度の変革が行われていると話す茂木氏。ChatGPTの登場により、AIの活用が急速に進み、人々のこれからの生き方、仕事の仕方について皆さんに共感してもらいたいと語る。

 

ちなみに茂木氏の登壇は、プレゼンテーションを一切使わない「イーロン・マスク方式」とのこと。概念が大事で、プレゼンに目が行ってしまうので使わないそう。

 

始めに、ChatGPTの登場が、AI研究者にとってもいかに大きな変革だったかを語った。

ChatGPTが行っているのは文章から、次に来る文字を予測するNext-Token-Prediction と呼ばれるもの。

 

茂木氏自身の研究にも「心の理論」がある。

心の理論(こころのりろん、: Theory of Mind, ToM)は、ヒト類人猿などが、他者のの状態、目的、意図、知識、信念、志向、疑念、推測などを推測する直観による心の機能のことである 。

この研究においても、ChatGPTはかなりの正答率で答えてしまうそうだ。

 

例えば以下のような文章がある。

 

メアリーはルーシーにチョコをあげて、ルーシーはそれを食べた。

親切なのはどっち?

メアリーとなるのが普通だろう。

 

これは言葉の意味を理解していないと答えられない。

 

では、以下の文章ではどうだろう。

 

メアリーは、チョコに砂糖の代わりに塩をいれた。メアリーはルーシーにチョコをあげて、ルーシーはそれを食べた。

親切なのはどっち?

ルーシーが食べてあげたと捉えると、親切なのはルーシーになる。

 

これらの文章にChatGPTは、正答できる。Webの情報を使わずに文字だけを理解して答える。

アラン・チューリングのチューリング・テストにおいても、ChatGPTはクリアしており人間と同じくらいの能力があることが証明されている。

1950年に計算機科学の第一人者であるアラン・チューリングが提案した「チューリング・テスト」が挙げられます。チューリング・テストは、「文章による会話のみで人間と機械を対話させ、その会話を見た判定者が人間と機械を正しく判別できなかった場合、機械には物事を考える知性がある」とするもの。

 

これはジェフリー・ヒントンも、イリヤ・サツキーバー氏も予測していないすごいものだと語る。

 

では、人間の仕事を機械でどれだけ置き換えられるのか。実際、そろばんや漢字検定など機械で代用できるものは以前ほど重宝されなくなった。

この問題について皆さんと答えをシェアしたいと話す。我々の仕事はなくなるのか?

 

結論は、なくならない。

 

なぜか?

 

AIエフェクトというものがある。人工知能効果というもの。

一度AIによって実現されたものは、人間の本質ではなくなる。つまり、AIが実現しても、ゴールポストをずらされ、またゴールは遠ざかっていく。

 

例えば、AlphaZeroというチェス、囲碁、将棋の人工知能がある。対戦型競技の実力を数値化するイロレーティングにおいて、藤井壮太氏は2800程度。AlphaZeroは4000。藤井壮太氏に勝ち目はなし。

イロレーティング (Elo rating) とは、対戦型の競技(2人のプレイヤーまたは2つのチームが対戦して勝敗を決めるタイプの競技)において、相対評価で実力を表すために使われる指標の一つ。数学的裏付けのある最も著名なレーティングシステムである。

 

すでに、人間はAIに勝てないことが分かっているのに、我々は藤井壮太氏が8冠をとることに期待している。

昔は人間と人工知能の将棋に興味があったが今はないし、人間は人間同士の勝負にしか結局は興味がないのである。

 

茂木氏は実際に学生にアンケートを取り、AIで作られた女性と人間の女性の価値は同じか学生に聞いたところ、多数はAIに興味がないと答えた。

 

これはなぜか。

 

人間は何をするか分からない。別のとらえ方をすると「選択肢」があるということ。

 

お昼に何を食べるか、ジャニーズの新社名は何になるのか、イーロンマスクがTwitterをXにしちゃったが次はYになるかも。

何をするか分からない人間に興味がある。

 

人生にはいろいろな分かれ道があり、それだけは人工知能では置き換えられない。

なぜか。人工知能には評価関数があり、将棋で勝つという評価関数を与えるとそれだけ。

 

人間ではそうはならない。フィギュアスケートの羽生結弦氏は、スケートを練習するという評価関数だけでなく、バイオリニストと結婚するという選択する評価関数もある。

こういった価値観は人工知能には計算できない。

 

脳には自由意志があり、未来を自分で選ぶことができる。

これからは、AIを活用して「選択」をおこなっていくことになる。最終的な決定は人間が行う。AIではない。

 

これからの人生を変えるのは適切な選択をすること。人工知能時代にできることは判断力を磨くことだと茂木氏は語った。

 

まとめ

AIがどれだけ発展しようとも、人間は人間が行うことに興味があり、

適切な「選択」をAIの力を借りながら行っていくことが、これからの人工知能時代に人間にとって大切なことになってくる。

AIにすべての仕事が奪われることはなく、適切な判断、選択ができるという力がこれから大事になってくるということですね。

 

この記事を書いた人

髙橋 和輝
髙橋 和輝
テクニカルマーケターとして、新技術の検証、ブログ執筆、セミナー講師を行っております!
学生時代はアプリ開発に興味がありましたが、インフラ、セキュリティ事業を経て、現在はクラウド屋さんになっております。
コロナ禍前は、月1で海外旅行にいくなどアクティブに活動していましたが、最近は家に引きこもってゲームが趣味になっています。

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