Microsoft Copilot Studio と Copilot 新機能をご紹介!

日本時間2023年11月15日~17日に米国で開催されたMicrosoft Ignite 2023 にて、

マイクロソフトは、「Microsoft Copilot」全体にわたる新しいイノベーションを発表しました。

今回は、その中から、Microsoft Copilot StudioCopilot の新機能についてご紹介いたします!

 

また、Microsoft Ignite 2023 の現地レポート やまとめサイトもございますので、是非こちらもご覧ください!

 

 

マイクロソフトの今後の展望とは?

まずは、Copilot に関するマイクロソフトのビジョンをご紹介。

マイクロソフトは、「すべての人」、「すべての活動」に対するCopilotの提供を今後のビジョンとして掲げており、Web上やデバイス上、職場の情報等を理解し、検索、コーディング、分析、学習、作成等における、さまざまな活動に必要なスキルを、Copilot を通してユーザーに提供します。

 

Copilot 製品ラインアップのアップデート

Copilot

「Bing Chat」、「Bing Chat Enterprise」は、シンプルに「Copilot」にリブランドして、Microsoft Edge、Google Chrome、Safariなどで利用できるようになります。

質問に答える機能、コンテンツ作成機能、データに対する推論機能など、基本的な機能はもちろんのこと、Webの検索結果が回答に含まれるため、常に最新の情報を提供してくれます。

また、Entra ID で Copilot にサインインすることで無料で、「チャット データは保存されない」、「Microsoft もデータにはアクセスできない」、「データがモデルのトレーニングに使用されない」というように、Bing Chat Enterpriseのような、企業版のCopilotも提供されるので、商用利用ももちろん可能です。

 

Copilot for Microsoft 365

Copilot for Microsoft 365 は月額約30ドルで「Copilot」の機能に加えて、Web グラウンディングやM365 セキュリティの機能も継承したサービスで、企業レベルの商用データ保護も備えています。

また「Microsoft Graph」へのアクセス、「Microsoft 365」アプリへの統合、「Copilot Studio」といった機能の利用も可能になります。

Microsoft Copilot の 2 つのサービス レベル ("Free" と "Copilot for Microsoft 365" と、基本機能、Web グラウンディング、商用データ保護、エンタープライズ グレードのデータ保護、Microsoft Graph グラウンディング、Microsoft 365 Apps、Copilot Studio などの機能を比較した価格表です。

 

Microsoft Copilot Studio

Copilot for Microsoft 365 をカスタマイズし、企業独自の Copilot を構築するためのローコード ツールであるMicrosoft Copilot Studio が発表されました。

ローコードで、カスタムGPT、生成AIのプラグイン、手動トピックを組み合わせ、Microsoft 365向けに、Copilotをカスタマイズし、スタンドアロンのCopilotを構築することができるサービスです。

2023年11月17日時点で、Copilotはすでに利用可能、M365との統合はプレビューとして提供しています。

 

デモを簡単にご紹介!

通常のCopilotの場合、以下のように職場のデータ等の情報を与えないと、うまく回答できません。

ユーザー:「今四半期の経費の予算はいくらですか?」

Copilot:「すみません、利用可能な経費予算についての情報を見つけることができませんでした。言い換えてもう一度質問してください。」

 

では、Microsoft Copilot Studio を使って、企業の独自シナリオでCopilotをカスタマイズして公開してみましょう。

Copilot Studio にアクセスして、「Conversational plugins」を選択します。

Microsoft Yardımcı Pilot Stüdyosu

 

トリガーと説明を追加します。従業員から経費予算の状況について質問されたら詳細を回答するCopilotです。

 

アクションで、SAPの経費予算のテーブル読み込みを実施。

 

生成AIに、SAPの経費予算テーブルの情報をインプットとして与えます。

 

生成された回答をGPTに渡します。

 

作成したCopilotを公開します。

 

では、今回作成したカスタムCopilotに冒頭と同じ質問をしてみましょう。

ユーザー:「今四半期の経費の予算はいくらですか?」

Copilot:「最新の情報では、$812がQ4の経費予算として残っています。また、会社のポリシーとして経費の申請は、2023年12月30日までに提出する必要があります。」

予算の情報に加えて、いつまでに経費申請が必要かといった追加情報まで提供してくれました。

 

Copilotの新機能

Ignite では3つのテーマでアップデートが発表されました。

  • パーソナライゼーションの強化
  • 高度な数学的分析機能
  • Copilot のコラボレーション参加

 

パーソナライゼーションの強化

ユーザーは自分の役割や重要な要素をCopilotに教えることができ、これにより書式、スタイル、トーンなどがカスタマイズされた応答を得ることができます。この機能はWordとPowerPointから始まり、Microsoft 365の他のアプリにも展開される予定です。

高度な数学的分析機能

Excelに導入されたPython機能を使用することで、高度な数学的分析を行うことができます。さらに、ExcelのCopilotと組み合わせることで、自然言語を使用してこの機能を利用することができます。

つまり、Pythonに詳しくなくても自然言語で数学的分析ができてしまうということですね。これは期待です。

Copilot のコラボレーション参加

TeamsにおいてCopilotをコラボレーターとして参加させることで、会議でのディスカッションに集中したり、ブレインストーミングのメモをデジタルホワイトボードに視覚化したり、Microsoft Loopを使用して共有ワークスペースを構築することができます。

具体的な機能について以降で紹介します。

 

Microsoft Teams の Copilot

人間による会議のアシスタント(議事録とったり、メモの共有とか)に代わり、Copilotが会議の出席者として参加することで、会議中にメモを取り、それを参加者と共有したり、特定のコンテンツをキャプチャするといったことをCopilotが行います。

例:「ベンさんの言葉を引用して」とCopilotにお願いすれば、会議中のベンさんの言葉を皆に文字起こしとして共有することが、全員が確認することができます。

4 人の出席者を表示する仮想会議のインターフェイスで、記録や文字起こしなしで Copilot の空き状況に関する通知が表示されます。

Teamsに関するその他のアップデート情報はこちら

 

Microsoft Outlook の Copilot

OutlookのCopilotでは、「今後の会議」に関する支援が行われます。

予定のインビテーションの詳細、その会議に関連するメールやドキュメントをくまなく調べて概要を作成することで、今後の会議の準備に役立てることができます。

 

またメールのやりとりをスレッド表示し概要を表示したり、特に重要な情報を抽出し、フォローアップミーティングといった今後のステップを提案してくれます。

会議を作成すると、議題の下書き、会議内容の要約、会議タイトル案の作成、出席者の追加、出席者に分かりやすくするために元のスレッドの追加、全員が会議できる時間の提案が行われます。

 

Microsoft Loop の Copilot

Microsoft Loopはプロジェクトにおける、人間と生成AIの間のコラボレーションを強化する働き方改革のために構築されたアプリで、一般提供が発表されました。

ページ作成機能を持っており、過去の作業を分析し、現在のプロジェクトページに自動的に適応させたり、目標に合わせたコンテンツの提案等を行います。

要するにプロジェクトにおけるチームのダッシュボードのようなもので、皆の集合知を活用して、AIが2歩先の提案や支援を行ってくれるものです。

これまでの作業を見直したり、期限が迫っているタスクの提案など一般的なタスク管理機能もあるようです。

Microsoft Loopの詳細はこちら

 

Microsoft Word の Copilot

キャッチアップとコメント機能を使って、「この文書の変更点を確認するにはどうすればよいですか?」などの質問をして、文書にアクセスしたユーザーが行った変更や改訂をCopiotが提示してくれます。これにより文書の変更をすばやく把握できるようになります。

Microsoft PowerPoint のCopilot

企業のブランドの画像の使用を依頼することで、「Microsoft Designer」がAI を使って生成した画像を提案してくれます。

デモでは、テントの画像を使って修正を依頼すると、森の中にテントが立っているような画像に置き換えられました。

Microsoft Viva

Microsoft Vivaは従業員の働き方を支援するためのサービスです。

Microsoft 365 アプリの使用状況(会議、チャット、メール、ドキュメント)に基づき、Copilot が生産性に与える影響についてのアドバイスを提案します。2024 年初頭にVavaをお使いのお客様に提供予定です。

Vavaを使うことで、チームの正常性を確認したり、目標に対する結果 (OKR) を分析して、新しい優先順位を設定したりすることもできます。

またリーダーは、自然言語を使ってViva インサイトからチームや組織に関する質問をすることで、パーソナライズされた動的なレポートを生成することができます。

 

Igniteからの最新アップデートについては、弊社のまとめブログやマイクロソフトの公式ブログもご参照ください。

 

この記事を書いた人

髙橋 和輝
髙橋 和輝
テクニカルマーケターとして、新技術の検証、ブログ執筆、セミナー講師を行っております!
学生時代はアプリ開発に興味がありましたが、インフラ、セキュリティ事業を経て、現在はクラウド屋さんになっております。
コロナ禍前は、月1で海外旅行にいくなどアクティブに活動していましたが、最近は家に引きこもってゲームが趣味になっています。

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