Open AIが AI生成画像の来歴問題に対応するためCP2A (画像の来歴証明)を採用

OpenAIがAI画像生成ツールの「DALL·E 3」に、C2PAという画像の来歴を埋め込むことを発表しました。昨今では、生成AIによるフェイク画像がSNSなどに出回り、画像が生成AIで作成されたものなのか識別が難しくなってきています。このような問題に対処するために、Open AI がC2PAという技術を採用しました。

このブログでは、C2PAとは何か、DALL·E 3がどのようにC2PAを実装しているか、C2PAが画像の信頼性やサイズにどのように影響するかなどお伝えします。

 

 

C2PAとは

Coalition for Content Provenance and Authenticityの略で、画像の出所や関連情報のメタデータを埋め込むことを可能にするオープンな技術標準です。C2PAはAI生成画像だけでなく、カメラメーカーやニュース機関なども採用しており、メディアコンテンツのソースや履歴を証明するための標準となっています。

 

DALL·E 3とは

OpenAIが提供するAI画像生成ツールで、ChatGPTやOpenAIのAPIを通じて利用できます。DALL·E 3は、テキストや音声などの入力に応じて、さまざまな画像を生成することができます。

今回の発表で、DALL·E 3で生成された画像には、C2PAのメタデータが含まれています。

このメタデータには、画像がDALL·E 3によって生成されたことを示す署名などがあります。これらのメタデータは、Content Credentials Verify等のサイトを使って確認することができます。これにより、画像がOpenAIのツールを通じて生成されたかどうかを判断することができます。

画像にC2PAが含まれることによる影響

C2PAメタデータの追加によって、画像のサイズが若干増加しますが、遅延や画質にはほとんど影響しないと考えられます。

 

C2PAの実装により信頼性は向上するのか?

結論から言いますと、メタデータが含まれていればコンテンツの来歴は証明できますが、様々な方法によってメタデータを削除することができてしまうため、完全な対処はできません。

例えば、ほとんどのSNSは、アップロードされた画像からメタデータを削除しますし、画像のスクリーンショットを撮ることでもメタデータを削除することができます。そのため、メタデータがない画像がChatGPTやOpenAIのAPIで生成されたかどうかは、必ずしも判断できないということです。

この記事を書いた人

髙橋 和輝
髙橋 和輝
テクニカルマーケターとして、新技術の検証、ブログ執筆、セミナー講師を行っております!
学生時代はアプリ開発に興味がありましたが、インフラ、セキュリティ事業を経て、現在はクラウド屋さんになっております。
コロナ禍前は、月1で海外旅行にいくなどアクティブに活動していましたが、最近は家に引きこもってゲームが趣味になっています。

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