Azure Stack HCI 検証環境を構築してみた②- Azure Stack HCI OS の設定 –
– Azure Stack HCI OS の設定 –

前回ネットワークの構築をおこないクライアントからインターネット接続が可能になりました。

今回は、ラズパイに接続するNUCにAzure Stack HCI OSの設定を行います。

 



1. 事前準備

・シングルノードクラスタ―としての利用がサポートされたAzure Stack HCI カタログのサーバー

⇒今回は検証環境として、Intel NUC12WSHi5 を利用してシングルノードクラスタ―を構成します。

・ネットワーク、その他の要件は下記を参照してください。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure-stack/hci/concepts/system-requirements

・Azure Stack HCI OS のダウンロード

下記登録フォームに必要事項を入力しISOファイルをダウンロードします。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/contact/azure-stack-hci/

 

2. Azure Stack HCI OS で Windows クライアント向けNICドライバーを使えるように設定する①

サポートされたハードウェアや、Azure Stack HCI をサポートしているNICドライバーであればこの手順は不要です。

「Azure Stack HCI OS インストール」 まで飛ばしてください。

正式にサポートされている製品カタログはこちらです:Azure Stack HCI Solutions | Microsoft (hcicatalog.azurewebsites.net)

 

今回は検証環境なのでハードウェアとしてIntel NUC12WSHi5を利用していきます。

このデバイスはクライアント用NICを搭載しているため、普通にAzure Stack HCI OSをインストールするとドライバーが対応しておらずLANアダプターが利用できません。

そこでAzure Stack HCI OSで Windows Client 向けのNICドライバーを使えるようにします。

こちらの記事を参考にさせていただきました。

Windows ServerWindows 11/10向けインテルLANアダプターを使えるようにするには | Solomonレビュー (solomon-review.net)

 

2-1. ドライバーのファイル名の特定

Intelからダウンロードしたドライバーインストールパッケージには複数タイプのドライバーが入っているので、

NUC12WSHi5に対応するドライバーのファイル名を特定します。

 

ドライバーを特定するために、NUCにWindows 10 をインストールします。ここではWindows 10 のインストール手順は省きますが以下の

ドキュメントを参考に作成します。

Windows 10:Windows 10 のダウンロード (microsoft.com)

ブートディスクの作成:WinPE: 1 つの USB ドライブを使用してイメージを格納または分割して Windows を展開する | Microsoft Learn

Windows 10 のwimファイルは4GBを超えるのでFAT32形式のUSBディスクでは利用できません。上記の記事を参考にWindows PE用とwim格納用でパーティションを区切って利用します。

 

インストール後、デバイスマネージャーを開きIntel NIC の項目のプロパティを開きます。

タブでドライバー > ドライバーの詳細と開くと.sysファイルのファイル名が確認できます。

このファイル名をメモしておきます。

 

2-2. ドライバーの準備

Intel のサイトからドライバーセットをダウンロードします。

インテル® イーサネット・アダプター コンプリート・ドライバー・パック (intel.co.jp)

 

ダウンロードしたZipを解凍します。

今回のNUC には、「I225-V」が搭載されています。I225-Vは2.5Gbpsのアダプターとなるためフォルダ「PRO2500」を開き、Winx64\NDIS68と進みます。

NDIS68フォルダはUSBなどにコピーしておきます。

 

以降でAzure Stack HCI OS インストール後に、ドライバーのインストールを行います。

 

3.Azure Stack HCI OS インストール

今回Azure Stack HCI をシングルノードで構成していきます。

 

3-1.インストール用ディスクの作成

事前にダウンロードしたISOイメージをマウントし、ブート用USBを作成します。

 

USBディスクは事前にFAT32形式でフォーマットしておきます。

 

事前にダウンロードしたISOファイルをマウントし、イメージファイルをUSBにコピーします。

 

これでブートディスクは完成です。

 

3-2.OS のインストール

Intel NUC に ブート用USBを接続し電源を入れ、BIOS/UEFI メニューで起動ディスクをUSBにします。

ブートディスクを起動し、インストール画面は道なりに進めます。

 

インストール完了後、ローカル管理者のPWを設定しインストール完了です。

 

4.Azure Stack HCI OS で Windows クライアント向けNICドライバーを使えるように設定する②

サポートされたハードウェアや、Azure Stack HCI をサポートしているNICドライバーであればこの手順は不要ですので飛ばしてください。

4-1.デバイスIDの確認

初めにBIOS/UEFIメニューを開き、セキュアブートを無効化します。

再起動後に、コマンドプロンプトでコマンド「msinfo32」を実行します。

 

コンポーネント > 問題のあるデバイス > イーサネット コントローラー を開きます。

文字列「DEV_」の次に記された4桁の英数字をメモします。

これがクライアント用NICドライバーをAzure Stack HCI OS に対応させるために必要な「デバイスID」ですのでメモしておきます。

 

4-2.「.inf」ファイルの編集

USBディスクにコピーした「NDIS68」フォルダの中に、[2-1で確認したファイル名].inf というファイルがあります。

notepad でinfファイルを開き、「Intel.NTamd64.10.0.1..XXXXXX」というセクションを開きます。

そこから下に、4-1で調べたデバイスIDの先頭に「E」を付けた文字列を含む行を探します。

対象の行をすべて選択し、コピーします。

 

これを「Intel.NTamd64.10.0.0..XXXXXX」というセクションの一番下に張り付けます。

編集が終わったら保存します。

4-3. ドライバーインストールの準備

コマンドプロンプトを管理者で実行し、カレントフォルダを「NDIS68」にします。

未署名のドライバーをインストールできるように以下のコマンドを実行します。

すべての結果が「この操作を正しく終了しました。」となっていることを確認します。

ならない場合はセキュアブートが無効になっているか確認してください。

 

PCを再起動します。

4-4. ドライバーのインストール

コマンドプロンプトを管理者で実行し、カレントフォルダを「NDIS68」にします。

以下のコマンドを実行します。

infファイルを修正したため、不正なファイルと認識されますが、

「このドライバーソフトウェアをインストールします」をクリックします。

正常にインストールできると、「ドライバーパッケージが正常にインストールされました。」と表示されます。

 

msinfo32を実行し、コンポーネント > ネットワーク > アダプター に Intel(R) Ethernet Connection I225-Vと表示があれば正常に動作しています。

ping等でインターネットに接続できることを確認します。

 

最後に4-3で変更した設定を以下コマンドで元に戻します。

 

再起動し、BIOS/UEFIからセキュアブートも有効に戻します。

 

まとめ

今回は、NUCにAzue Stack HCI OSをインストールしインターネット接続できることを確認しました。

次回はAzure との接続設定を行っていきます。

この記事を書いた人

髙橋 和輝
髙橋 和輝
テクニカルマーケターとして、新技術の検証、ブログ執筆、セミナー講師を行っております!
学生時代はアプリ開発に興味がありましたが、インフラ、セキュリティ事業を経て、現在はクラウド屋さんになっております。
コロナ禍前は、月1で海外旅行にいくなどアクティブに活動していましたが、最近は家に引きこもってゲームが趣味になっています。

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