AVD運用負荷を大幅削減できる？ カスタムイメージテンプレート試してみた

 

はじめに

Azure Virtual Desktopのカスタムイメージテンプレート機能がGAとなりました。

この機能を使うことで管理者は以下のカスタマイズを施したゴールデンイメージを作成することができます。

・AVD向け組み込みカスタマイズ

・アプリケーションの構成セット

・独自スクリプト

詳しくはこちらの記事を参照ください。

Announcing the public preview of Azure Virtual Desktop Custom Image Templates (microsoft.com)

 

特にAVD向け組み込みカスタマイズは、今まで手動でカスタマイズしていた設定をAzure上で、数クリックで設定することができます。

このテンプレートからイメージを作成すると、マネージドイメージとAzure共有ギャラリーに展開されます。

それでは、展開手順を見てみましょう。

 

事前準備

・ユーザー割り当てマネージドIDの作成

イメージを展開するために利用するID。イメージ展開対象のリソースグループに権限付与が必要になります。

Azure ポータル > マネージドID から作成をクリック

 

必要事項を入力します。

リージョン：Japan East

名前：AIB-GUI-ID（任意）

 

 

・サブスクリプションのリソースプロバイダーに以下を登録

Microsoft.DesktopVirtualization

Microsoft.VirtualMachineImages

Microsoft.Storage

Microsoft.Compute

 

・カスタム イメージ テンプレートとイメージを保存するリソース グループ

空じゃないとだめ。

 

・リソースグループに対してカスタムロールを作成してユーザー割り当てマネージドIDを登録する

JsonにActionとして以下を追加する。

 

こんな感じになっていればOK

 

作成したユーザー割り当てマネージドIDに対して、作成したカスタムロールを割り当てます。

今回は、テンプレートを展開する「AIB-GUI」というリソースグループに対して割り当てます。

 

カスタムイメージテンプレートを作成

Azure ポータル > Azure Virtual Desktop > Custom image templates を選択します。

カスタムイメージテンプレートの追加をクリックします。

 

以下の項目を入力します。

テンプレート名：AVD-AIB-Template-01 既存のテンプレートからのインポート：いいえ サブスクリプション：任意 リソースグループ：任意（イメージテンプレートが展開されます） 場所：Japan East マネージドID：AIB-GUI-ID

 

ソースイメージでソースとなるイメージを選択します。

[プラットフォーム イメージ (マーケットプレース)] には、Azure Marketplace で入手可能な Azure Virtual Desktop の イメージの一覧が表示されます

[マネージド イメージ] には、[基本] タブで選択したのと同じサブスクリプションと場所内のマネージド イメージの一覧が表示されます。

[Azure Computer Gallery] には、Azure Compute Gallery に含まれるイメージ定義の一覧が表示されます。

 

今回は、マーケットプレースからWindows 11 Enterprise multi-session + Microsoft 365 Apps, Version 22H2を選択しました。

既にあるイメージテンプレートをソースとしてもOKです。

ソースの種類：プラットフォームイメージ（マーケットプレース） イメージの選択：Windows 11 Enterpriser multi-session + Microsoft 365 Apps, version 22H2

配布ターゲットは以下の通り設定します。

マネージドイメージ リソースグループ：AIB-GUI イメージ名：Win365-Image 場所：Japan East 実行の出力名：Win365Image01 Azure Compute Gallery ギャラリー名：AIBGallery01 ギャラリーイメージの定義：Win11-Multi-22H2-Gen2 Gallery Image Version：1.0.0 実行の出力名：AVDImage01 レプリケーションのリージョン：Japan East 最新から除外：いいえ ストレージアカウントの種類：Standard_LRS

 

ビルドのプロパティを設定します。

VMサイズは、イメージの作成時に利用する一次的なVMのサイズになります。

ビルド後は自動的に削除されます。ビルド時間を早めるためにも少しスペックを上げています。

ビルドのタイムアウト：なしビルドVMサイズ：Standard_B4ms OSディスクサイズ(GB)：512 Staging group： 仮想ネットワークの構成 Vnet：なし サブネット：なし

 

カスタマイズを設定します。

 

組み込みスクリプトの追加をクリックします。

ここでAVDに必要な設定を組み込むことが可能です。

今回は言語パックのインストールや、FSLogixのインストール、Teamsの最適化やセッションタイムアウトの構成などを行いました。

特に「Apply Windows Update」はこのイメージテンプレートからイメージを作成する際に自動的に最新のアップデートを適用できるため

毎月イメージの更新をする時間を大幅に削減できます。

 

 

 

その他独自スクリプトも追加することも可能です。

最後に確認と作成まで進み、カスタムイメージテンプレートを作成します。

作成が成功すると、以下のようなイメージテンプレートが出来上がります。

このテンプレートからイメージを作成するには、ビルドの開始をクリックします。

ビルドは30分くらいかかりました。

 

完了後、ディストリビューションイメージの名前をクリックすると、イメージが作成されていることを確認できます。

 

イメージ

共有イメージギャラリー

 

まとめ

一度イメージテンプレートを作っておけば、AVD向けの設定が構成済み、Windows Update も最新となったイメージをワンクリックで作成することができ

AVD運用者の負荷が大幅に軽減されることが期待できます。