これからAzureを導入する、あるいは導入の検討をしたいという方に向けて、Azure独自の基礎的な用語をまとめました。
これからAzureを始めようとしている皆様、Azure導入を検討したいという皆様、見慣れない用語に戸惑っていませんか?
MicrosoftのウェブサイトやAzureを解説したサイトでは、これらの言葉の意味を知っている前提で書かれていることもありますよね。
なんとなくわかっているつもりの用語でも、きちんと理解出来ていない場合もあります。
そこで今回は、Azureを始めるための必須の用語をまとめました。初心者の方にも分かっていただけるよう記載しましたので、この機会にAzure関連の用語を押さえてしまいましょう。
管理単位に関する用語
Azureの管理単位は、アカウント、ディレクトリ、サブスクリプション、リソースグループ、リソースの5つ存在し、この順番に上からの階層構造になっています。これら5つをそれぞれ以下に説明します。
アカウント
契約者(に関する情報)のことです。
ディレクトリ
テナント内のユーザーやグループを管理するための認証基盤です。Azure AD(Active Directory)ともいいます。
ユーザーやグループはもちろん、デバイスやライセンス、アプリケーション、サブスクリプションなど幅広い対象に対して、高度なセキュリティ保護機能を提供します。
サブスクリプション
Azureでの契約・課金の単位です。Azureポータル(後述)で管理できます。
リソースグループ
リソース(次項参照)をとりまとめたものです。
個々のリソースは必ずリソースグループを単位に管理されます。つまりリソースグループを先に作成しないと、リソースを定義することはできません。
またリソースグループ内にリソースグループを作ることはできません。
リソース
Azure環境上に構築する各サービスのオブジェクトです。たとえば仮想マシンは、管理ディスクやネットワークインタフェースなど複数のリソースで構成されます。
管理画面に関する用語
Azureの管理は、「Azureポータル」と呼ばれるWebユーザーインタフェースから行います。Azureポータルに関する用語を以下に説明します。
Azureポータル
Azure管理の起点となるWebユーザーインタフェースのことです。
Webアプリ、データベース、仮想マシン、仮想ネットワーク、ストレージなどあらゆるサービスをWebブラウザー上で、一元的に表示および管理することができます。
AzureポータルのURLは、https://portal.azure.comとなります。
推奨されるブラウザーは、Microsoft Edge、Safari、Google Chrome、Firefoxのそれぞれ最新バージョンです。ただしSafariはMac版のみです。Internet Explorer 11もサポートしていますが、サポート期限は2021年3月31日までとなっています。
以下に、Azureポータルの構成要素(図の①~⑨)を説明 します。
①ページヘッダー
すべてのポータルページの上部に表示される共通の要素です。
②グローバル検索
リソース、サービス、またはドキュメントを指定して検索できます。
③グローバルコントロール
ボタンをクリックすることで、Cloud Shell、サブスクリプションフィルター、通知、ポータルの設定、ヘルプとサポート、フィードバックができます。
④アカウント情報
自分のアカウントに関する情報の表示、ディレクトリの切り替え、サインアウトができます。
⑤ポータルメニュー
サービスを切り替えるのに便利なコンポーネントです。サイドバーともいいます。
⑥リソースメニュー
サービスごとに切り替わるメニューです。左ウィンドウともいいます。
⑦コマンドバー
現在フォーカスしているコンテキストによって変化するコントロールコンポーネントです。
⑧作業ウィンドウ
現在フォーカスしているリソースに関する詳細情報が表示されます。
⑨階層リンク
ワークフローの階層が表示されます。
仮想マシンの構成要素に関する用語
仮想マシンはいくつかのリソースを組み合わせて構成します。Azureポータルから作成すると必要なリソースが自動作成されます。
以下に仮想マシンの構成要素を説明します。
管理ディスク
OSイメージやユーザーデータを格納する仮想ハードディスクです。
ネットワークインタフェース
Azureで管理している仮想ネットワークに接続するための接点です。
パブリックIPアドレス
外部からネットワーク接続するために必要となる(グローバル)IPアドレスです。
ネットワークセキュリティグループ
L4(レイヤー4=トランスポート層)のACL(アクセスコントロールリスト)です。
OSイメージ
仮想マシンに搭載するOSのイメージです。使用するOSイメージを選択することで、Azure上で仮想マシンが使えるようになります。
OSのマスターイメージは、Azure Marketplaceから入手できます。Windows、Linuxはもちろん、サードパーティーNVA(ネットワーク仮想アプライアンス)も入手できます。
マスターイメージをカスタマイズしたカスタムイメージを保管、再利用することも可能です。
Azure Marketplace
ISVが自社のソリューションを世界中のAzureユーザーに提供するためのオンラインマーケットプレースです。
Azure特典に関する用語
Azureを利用する際に付与される特典がいくつかあります。これらを上手に活用することでインフラコストを低減することができます。
予約インスタンス(RI)
Azureサービスを長期間利用することを前提とした割引サービスです。
仮想マシンの場合、期間は1年または3年から選択できます。一部非対応の仮想マシンサイズもありますが、3年ですと最大53%の値引きとなります。
Azureハイブリッド特典(AHUB)
SA(ソフトウェア・アシュアランス)付きのサーバーライセンスをAzureに持ち込むことができる特典です。対象製品は以下の通りです。
· Windows Server(Standard / Datacenter)
· SQL Server(Standard / Datacenter)
これらのユーザーであれば、Azureに移行することでライセンス費用を抑えることができ、他のパブリッククラウドに移行するよりお得になります。
拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)
Azure上で稼働するワークロードに関しては、サポート終了後から3年間、拡張セキュリティ更新プログラムの適用が無償で可能になります。現在対象となる製品は以下の通りです。
· Windows Server 2008 / 2008 R2
· Windows 7
まとめ
以上、Azureを使っていくうえで必須な用語を解説してきました。わからないときはいつでもこの記事にもどって、辞書としてご活用ください!
また追加で分からない用語、解説してほしい言葉など、お気軽にお問い合わせください。
みなさまがAzureを知っていくうえで、お手伝いができればと思いまs。
この記事を書いた人
- NE + Azure 編集部
- 日商エレクトロニクス特設サイト「日商エレ+Azure」サイトマスターです。
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