VDI(デスクトップ仮想化)の導入に必要な初期費用とランニングコストはどのぐらい?

セキュリティ面やシステム運用工数削減、またBCPや生産性向上などのさまざまなメリットがあるVDIですが、その反面コストが高いと言われています。今回はVDI導入には実際にどのようなコストがかかり、それを抑えるにはどのような方法があるのか? を検討してみます。

VDIにはどのようなコストがかかるのか?

VDI(デスクトップ仮想化)では企業で必要なシステム環境に加えて、VDI環境を整える必要があります。具体的には次のようなコストです。

●ハードウエア関連

ハードウエア関連ではVDI環境用のサーバー機器やストレージ機器またネットワーク機器などの費用が必要になります。

●ソフトウエア費用

ソフトウエア費用は主に2種類あり、1つがVDI環境そのもの構築するための、VMware Horizon、XenDesktopなどのいわゆるVDIソフトウエアです。

もう1つがVDI環境でWindow OSを使うための追加ライセンスMicrosoft VDA(Virtual Desktop Access)です。VDI環境でWindow OSを使うためのライセンスには、Microsoft VDAの他にもMicrosoft Client SAというものがありますが、こちらは制約条件が多いために、通常は(ライセンス費用は高くなりますが)Microsoft VDAラインセンスを利用します。

各社が公開しているコストシミュレーションでは、ハードウエアとソフトウエア費用の比率はそれぞれ50%前後で試算しているケースが多く見受けられます。またハードウエアの内訳は、ストレージが30~55%程度、サーバーが35~45%程度、ソフトウエアではMicrosoft VDAが55%前後、VDIソフトウエアが45%前後で試算されているケースが多くあります。さらに通常は上記の他に導入費用が別途掛かります。

VDIにはどれぐらいのコストがかかるのか?

通常のPCクライアントの場合の導入費用は、1台当たり10万円前後が一般的です。VDIの場合は、上記の環境構築等の代金を含めると1台当たり20~30万円が相場だと言われています。

当社の調査によると、全体で1,200ユーザーの場合でハードウエア費用が1台約15万円、ソフトウエア費用が11万円、導入費用が2万円の合計1台当たり約28万円となっています。(1200ユーザー総額で約3.35億円)

また、上記は1200ユーザー時の試算ですが、ユーザー数が一定以下になると1台当たりの費用が極端に高くなり、300ユーザーで約35万円、100ユーザーでは約58万円になります。これはユーザー数に関係なく最低限購入する必要のあるハードウエアにかかる費用を、少ないユーザー数で分割するためです。

運用コストに関しては、特にVDIとしてかかる費用はなく、むしろPC端末を使用する場合よりもコストが下がります。ハードディスク暗号化やUSBの持ち出し制御などの端末毎のセキュリティ対策費用が不要になったり、故障時の再キッティング時間の短縮やOSのパッチ更新、ソフトウエアアップデートの手間が簡素化されることによって運用人件費が削減されたりすることで運用コストが下がります。

コストをできるだけ抑えるためには?

上記のような環境構築時の費用がVDIの導入障壁になる場合がありますが、コストをできるだけ抑える方法が無いかを検討してみましょう。

構築費用を抑えるための手段の1つとして考えられるのがMicrosoft VDAライセンスの見直しです。Microsoft VDAライセンスはサブスクリプション方式のライセンスでもあるので、構築時だけではなく一定期間ごとに発生するので実質的なコスト負担は大きくなります。

具体的にはMicrosoft VDAに代わってServer VDIを利用する方法です。これはWindows ServeなどのサーバーOSを仮想デスクトップOSとして利用するもので、個別のクライアント数分のライセンスではなく、サーバー台数分のライセンスのみを用意すればよいため、全体のライセンス費用を抑えることができます。(実際にはその時点のライセンス費用と必要ライセンス数に基づいてコスト算出/比較する必要があります。)ただし、Server VDIにする場合は別途リモート接続用のアプリケーションが必要であったり、アプリケーションの互換性の問題が発生する場合がありますので、利用時には事前の調査が必要です。

その他にコスト負担が大きいと考えられているのが専用ストレージです。VDIではストレージへの性能要求がどうしても高くなり、それがコストを押し上げている場合があります。ストレージ構成をハイブリッド型に変えたり、I/Oコントロールのアプリケーションを導入したりすることで、ストレージ自体のスペックや台数を抑えてコスト削減につながる場合があります。

加えて注意しなければならないのは、VDI導入後、当初の計画以上にコストがかかってしまう場合です。その主な原因は、根拠の無いサイジングが元で、いざ稼働すると実際にはリソースが不足していて、さらに追加投資が必要になるようなケースです。また逆に、必要以上のリソースを導入前に準備してしまい、無駄なコストが発生する場合もあります。

導入規模が大きくなればなるほど、利用実態を正確に把握することが難しくなります。全体の投資コストから鑑みると、比較的大規模なVDI導入の場合は、事前の利用実態調査を実施しておくことが結果的にはコスト抑制につながるケースが多いようです。

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