Azure Virtual Desktop(AVD 旧 Windows Virtual Desktop)の管理機能を解説!

今回は 2020/4/30 に公開された大型アップデート(通称 Spring Update)について紹介します。昨今注目されるリモートワークの選択肢の一つである Azure Virtual Desktop(AVD 旧 Windows Virtual Desktop)について管理機能面で大きな強化があったので、主な機能について取り上げていきます。

AVD の GUI 管理機能 更新情報

かねがね噂されていた(?)AVD の GUI 管理機能などが実現した大型アップデートが公開されました。現状はパブリックプレビュー状態での提供のため SLA が保証されていませんのでご注意ください。主なアップデート内容は次の通りです。

  • Azure Resource Manager (ARM)への統合
  • Az PowerShell サポート
    ⇒AVD のコマンドが Az モジュールに登場しました!
  • サービスメタデータの保存場所選択
    ⇒サービスメタデータの保存リージョンを選択可能に! 現在は米国内限定ですが今後各リージョンにロールアウト!

特に大きな変更は ARM への統合です。これにより、従来の AVD とは操作方法が変わりました。

本記事では新たに ARM へ統合された AVD のことを AVD ARM、従来の AVD を Non-ARM AVD と表記していきます。

GUI ベースの操作

ARM に統合されたことにより、Azure ポータルから操作が可能になっています! Azure ポータルで [Azure Virtual Desktop] と検索するとサービスが出てくるようになっています!

 Azure ポータル検索画面

下の画像が Azure ポータルに統合された AVD の管理画面です。メニューにはホストプールやアプリグループといった項目がならんでおり、今まで PowerShell が必要だった操作も GUI で管理できそうです。

Azure ポータルに統合された AVD の管理画面

セッションホストの状態も一覧で確認できるようになっています。ARM 統合されているため、Azure 上の仮想マシンリソースへのアクセス動線もスムーズです。

セッションホストの状態一覧

ARM 統合するにあたって、Non-ARM AVD とはオブジェクトの構造が変更されています。従来はテナントグループから階層構造でオブジェクトが定義されていましたが、今後はサブスクリプション内のリソースとしてフラットに扱われるようです。従来の「テナント」と呼ばれる概念は「ワークスペース」に置き換わりました。
オブジェクトの構造の違い

アクセス管理機能の強化

Non-ARM AVD ではユーザー単位でしか行えなかったアクセス管理も、Azure AD ユーザー/グループ単位で行えるようになりました。右側のブレードにあるリストのうち、丸いアイコンはユーザー、ひし形のようなアイコン(AVD_Users)はグループを表しています。

グループでのアクセス管理を行うことで、大規模な環境でも統括したアクセス管理が可能です。ワークロードに応じたホストプールの設計もしやすくなりますね。
アクセス管理機能

診断機能の強化

診断機能が Log Analytics や Blob Storage と連係しやすくなりました。Azure ポータルから標準メニューで連携できるようになっているため、AVD への接続状況監視やログデータを用いたトラブルシュートを行いやすくなっています。
診断機能
収集したログは Log Analytics から確認できます。クエリをカスタマイズすれば、ユーザーごとのセッションやセッションホストの利用数をグラフにしてダッシュボードに配置することも可能です。

Log Analytics

他にも様々な点で利便性が向上

その他にはアプリグループの設定も容易になりました。従来は PowerShell でしか設定できませんでしたが、AVD ARM ではポータル上からセッションホストにインストールされているアプリケーションを選択して数クリックで仮想アプリを展開できます。

仮想アプリの展開

ARM 統合されたことで今後 ARM テンプレートを活用した柔軟な構成管理も可能になるかもしれません。非常に使いやすくなっています。

今までの AVD は使えるの? 使えなくなるの?

Non-ARM AVD も引き続き利用可能です。ただし、Non-ARM AVD で作成したホストプールなどは Azure ポータルには表示されません。Non-ARM AVD で作成したホストプールを AVD ARM で使うには移行が必要です。移行の手順やツールについては現在 Micrrosoft 社にて準備中なので、情報が入り次第お伝えしていきたいと思います。

今回は Spring Update で公開された AVD の変更点について紹介しました。ARM 統合されたことによって非常に利便性が向上したことが伝わっていれば幸いです。今後追加されていく新機能は AVD ARM にフォーカスしていくとのアナウンスもあったので、より進化していく AVD に期待していきたいですね。

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この記事を書いた人

Azure導入支援デスク 編集部
Azure導入支援デスク 編集部
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