Azure Virtual Desktop (AVD)とは?
メリット、Windows365との違い、費用など一挙解説!

※2023年12月6日更新
Azure Virtual Desktop
パンデミックや自然災害対策をしたい、セキュリティを強化した業務環境を整備したい、協力会社様用の一時的な環境の用意したい…などのニーズから、DaaS(Desktop as a Service)を導入する企業様が増えています。

その中で、マイクロソフトのDaaS「Azure Virtual Desktop (AVD, 旧 Windows Virtual Desktop / WVD)」を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
今回は、そのAVDについて概要、特長から必要な要素や費用、さらに構成パターンやアップデートされている管理機能にいたるまで一挙解説していきます!

  • AVDとは?その大枠をつかみたい
  • AVDは他と比べて何がいいのか、その特徴を知りたい
  • Windows365も出てきたけれど何が違うのか知りたい
  • 導入に向けて必要な要素や構成パターンをイメージしたい

という方、ご参考にしていただけましたら幸いです。



1. AVD(Azure Virtual Desktop)とは

Azure Virtual Desktop(以下AVD)は、2019年にMicrosoft社が発表したデスクトップ仮想化(VDI)サービスです。その中でも、デスクトップ環境をクラウド上で展開するDesktop as a Service(DaaS)と呼ばれる分野のサービスとなります。2021年にWindows Virtual Desktop (WVD)という名称からAzure Virtual Desktop に変更になりましたが、同じ製品を指します。

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2. Azure Virtual Desktopのユースケース

2-1.リモートワーク

BYODに対応しており、従業員が作業しやすい端末から業務環境へアクセスすることが可能です。また、クラウドサービスなので、短期間での導入が可能で、導入後のリソース追加・削除も柔軟に調整することが可能です。

2-2.セキュリティ強化

VDIの特長である画面転送のシステムにより、端末にデータを残さない仕組みをつくることが可能です。また、マイクロソフトのセキュリティサービスであるエンドポイント管理(Microsoft E5)やログ収集(Azure Sentinel)を合わせて活用することによって、セキュリティを強化することができます。

2-3.ウェブ分離

AVDはセキュリティ要件が厳しい金融業界などにも採用されています。ブラウジング環境を作る手段として、AVDを、さらにメールセキュリティや安全なデータ授受の仕組みとしてMicrosoftや3rd Partyのサービスと組み合わせてセキュアなウェブ分離環境を構築できます。

2-4.開発・検証環境

クラウドサービスなので、「一時的に利用したい」「海外からのアクセス用に使いたい」といったニーズにも対応しています。また、GPUモデルもサポートされておりスペックの選択肢が幅広いため、開発者向けの環境や検証用の環境に最適です。

3. Azure Virtual Desktopのメリット・機能

3-1.管理コンポーネントはMicrosoftが管理で運用負荷が軽減される
AVDの管理範囲

AVDが注目される⼀番の理由はなんといっても手軽にVDIを利用できるという点でしょう。通常デスクトップ仮想化(VDI)環境を構築するためには接続先の仮想マシン(VM)の他にも、ユーザーからのアクセスを受け付けるゲートウェイ、各セッションホストVMへの振り分けを行うブローカーなど、さまざまな管理コンポーネントを用意する必要があります。

しかしAVDではこれらの管理コンポーネントのほとんどがMicrosoft Azureで管理・サービスとして提供されます。煩雑な管理コンポーネントのメンテナンスをユーザーが行う必要はありません。

3-2.Windows 10/ 11 マルチセッションによるコスト削減を実現

またAVDの大きな特徴として、VDIを動かす仮想マシンのリソースをユーザーで共用するWindows 10 / 11のマルチセッションを利用できる点があります。
VDIとAVDの比較イメージ

通常、Windows 10 /11 などのクライアントOSのVDIを利用するときは、仮想マシン1台に対してを1人の固定したユーザーを割り当てる必要がありますが、マルチセッション接続対応のWindows 10 / 11 では、1台の仮想マシンで複数のユーザーにVDIを提供し共同で利用することができます。
クラウドを利用する際は従量課金制なため、仮想マシンの台数が多ければ多いほど金額上がりますので、マルチセッションを用いて仮想マシンの台数を抑えらることでコスト削減が見込まれるのです。

3-3.VDI上でも、制限なくOffice 365 を利用可能

マイクロソフトの1st-Party製品であるAVDは、同じくマイクロソフト製品のOffice製品と相性が良いです。
他のVDI製品の場合、一部機能が利用できない、追加でライセンスを購入しないといけない、等の制限がかかることが多いですが、AVDならサブスクリプション版の“Office 365”を追加料金なしで機能制限もなくそのまま持ち込んでいただけます。
E5シリーズのセキュリティ機能もAVD上でお使いいただけますので、セキュリティ強化をお考えの企業様にもぴったりです。

3-4.CitrixやVMware Horizonをアドオンして機能強化できる

VDIといえば、Citrix社やVMware社の製品が有名ですが、AVDにもその機能をアドオンすることができます。それぞれ、「Citrix Cloud with AVD」「Horizon Cloud with AVD」と呼ばれ、より充実した機能を利用することができるようになります。
もちろんCitrix Cloud with AVDやHorizon Cloud with  AVDでも、マルチセッションなどのメリットはそのまま利用していただけます。
メリットはそのまま、ご要件に応じてカスタマイズできるのもAVDの特長です。

AVD、Citrix Cloud、Horizon Cloudの具体的な違いを知りたい方は比較資料 >もチェックしてみてください。

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4. Azure Virtual Desktop利用の前提条件

4-1.ライセンス

必要なライセンスは以下です。
・Microsoft 365 E3、E5、A3、A5、F3、Business Premium、Student Use Benefit
・Windows Enterprise E3、E5
・Windows VDA E3、E5
・Windows Education A3、A5

4-2.Azure サブスクリプション

AVDはMicrosoft Azureを基盤としています。上記のライセンスと合わせてAzure サブスクリプションの調達が必要となります。

4-3.サポートされているOS

・Windows 11 Enterprise マルチセッション
・Windows 11 Enterprise
・Windows 10 Enterprise マルチセッション
・Windows 10 Enterprise
・Windows Server 2022
・Windows Server 2019
・Windows Server 2016

5. Azure Virtual DesktopとWindows365をニーズに合わせて選ぶ

5-1.それぞれができること

マイクロソフトは、2021年8月にAVDに似ているサービス「Windows 365」をリリースしました。Windows 365はクラウドPCやAVDのSaaS版とも言われています。どちらも「クラウド上のWindows10環境にいつでもどこからでもアクセスできる」という特徴を持っていますが、何が違うのでしょうか。

AVDとWindows365の大きな違いは、

  • ①従量課金制か月額固定制か
  • ②カスタマイズの柔軟性が高いか、低いか

の2点が挙げられます。

①従量課金制か月額固定制か

AVDは使った分だけの従量課金、Windows 365は月額固定の料金になり、クラウド利用の予算確保の都合によって選択できます。

②カスタマイズの柔軟性が高いか、低いか

AVDは自社の環境に合わせて柔軟にカスタマイズが可能です。上記のCitrixやVMwareなどのソリューションを組み合わせたい場合はAVDを選択します。

5-2.こんな人が向いている

細かい要件があってカスタマイズしたい、稼働させる時間が限られている等の場合は機能が豊富で従量課金制のAVDがマッチしていると言えます。
逆に、特に複雑な要件が無い、運用管理負荷を軽減したい、長時間かつ頻繁に利用する、などの場合はシンプルで固定費用のWindows 365 が適していると言えます。

Windows 365とAVDの詳しい比較についてはこちら▼
Windows 365はAVDとは何が違う?最新情報をご紹介

6. Azure Virtual Desktop事例

6-1.Azure Virtual Desktop+ゼロトラスト環境の併用

日商エレクトロニクス株式会社は、コロナウイルス感染症の拡大によりテレワークが増加したことを受け、従来のVDI環境に対するセキュリティ強化を決定しました。
Azure Virtual DesktopとMicrosoft 365 E5 Securityを導入し、高度なセキュリティ対策と運用の効率化を実現しました。
また、Azure Security CenterとMicrosoft Sentinelを用いて、システム全体のセキュリティ管理とログの統合・可視化。さらに、Intune、Azure Active Directory、Windows Defender for Endpointの導入により、端末側とVDI入口のセキュリティ管理を強化し、「ゼロトラスト セキュリティ」を構築しました。
これにより、セキュリティ対策が強化され、リソースの迅速な増加、運用管理のストレス軽減、コスト削減、サービスレベルの向上、予防策の強化などの導入効果が出ています。

詳しくはこちら▼
Microsoft VDIとAzure機能をフル活用「ゼロトラスト セキュリティ」を実現

6-2.Azure Virtual Desktopでシステムへのアクセスパフォーマンス改善

タカラスタンダード株式会社様は、代理店や販売店向けに提供する見積提案システムのパフォーマンス面で課題を抱えており、これを解決するために、Azure Virtual Desktopの導入を決定しました。
AVD導入前は、システム起動時のデータダウンロードに時間がかかるという問題がありました。
導入後の効果として、パフォーマンスが大幅に向上しました。具体的には、処理時間が2〜3分から15秒に短縮され、見積り作成件数も前年比で2倍に増加しました。
また、システムの安定性と信頼性が向上し、海外パートナーからの評価も高めることができています。
タカラスタンダード様AVD構成図

詳しくはこちら▼
タカラスタンダードが見積提案システムのパフォーマンス課題を3カ月で解決

7. Azure Virtual Desktopの価格

価格は、通常の配信方式と外部ユーザー向けのアプリ配信とで費用がことなります。

7-1.通常の配信方式(デスクトップ/アプリケーション配信)

ExcelやOutlookなど通常業務で平日9時~17時で利用される場合の参考価格は
・Windows 10ライセンス760 円/月
・Azure利用料5,910 円/月
の6,670 円/月になります。

\ 1分で試算! /

Azure Virtual Desktop価格シミュレーションAzure Virtual Desktop 料金シミュレーションツールはこちら

7-2.Azure Virtual Desktop RemoteApp ストリーミング(外部向けアプリ配信)

こちらはAVDを利用して、組織外ユーザーにSaaSを提供することが可能です。なお、組織外ユーザー用のAVDライセンスは不要です。
上記の利用料にプラスして以下の料金がユーザーごとに必要になります。
・デスクトップ + アプリ ¥1,478.800
・アプリ ¥813.340
※利用可能なOSはWindows 10/11 Enterprise Multi-Sessionのみ。Single-Session、ServerOSはサポートしておりません。

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8.AVDを試したい方へ

AVDの概要をまとめて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
もし、具体的に導入をお考えの企業様がいらっしゃいましたら、AVDのデモ環境を1万円まで無償でお試しいただける「AVDハンズオンセミナー」を毎月開催しておりますのでどうぞご参加ください。

★本セミナーのPoint★

  • AVD導入前に知っておきたいポイントをしっかり理解できる
  • 実際の管理画面を操作して運用イメージを体感できる
  • Azureの専門家に気軽に質問ができる

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という方、まずはお気軽にお問い合わせフォームよりご相談ください!お電話、もしくはメールにて担当者よりご連絡を差し上げますので、その場でご不明点をお伺いできればと思います。

引き続き、お役立ていただける情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

この記事を書いた人

Azure導入支援デスク 編集部
Azure導入支援デスク 編集部
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