DaaS 導入の6つメリットを解説 DaaSとVDIの違いは?

DaaS_メリット_仮想デスクトップ

仮想化デスクトップには、DaaSとVDIの2種類の導入方法があります。

2つとも「端末からサーバ上に存在する仮想デスクトップ環境を操作する」という点は変わらないため、違いがよく分らないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、DaaSとVDIの違いは仮想デスクトップ環境がある場所や導入方法にあります。

この記事では少し分かりにくいDaaSとVDIの違いや、DaaSを導入するメリットについて詳しく解説します。

仮想デスクトップを導入しようか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

DaaSとは

DaaS(ダース)とはDesktop as a Serviceの頭文字を取った略称で、クラウド環境に展開されたデスクトップ仮想化システムのことです。

ソフトウェアのダウンロードは不要で、インターネット環境さえあればどこでも仮想デスクトップを利用できることが特徴です。

また端末の種類やスペック、場所を選ばず利用できるという大変便利なメリットがあります。

DaaSの形態は主にクラウド環境が置かれた場所によって異なり、プライベートクラウドタイプ・バーチャルクラウドタイプ・パブリッククラウドタイプの3種類に分けられます。

● プライベートクラウドタイプ:企業が独自に構築、自社のみ利用
● バーチャルクラウドタイプ:事業者により構築、自社のみ利用
● パブリッククラウドタイプ:複数の企業が同じクラウドを利用

最も独立性が高いのは、自社で独自構築した環境を使用するプライベートクラウドタイプでです。

社内で保守運用を行うためカスタマイズ性が高く、セキュリティリスクが少ないことが特徴です。

次のバーチャルクラウドタイプはサービス事業者が構築・提供している環境を使用するものです。

自社で管理を行う必要がない・プライベートクラウドと同じく独立性が高い・カスタマイズしやすいなどのメリットがあります。

3つ目のパブリッククラウドタイプは、バーチャルクラウドタイプと同じ様にサービス事業者が構築・提供する環境を使用するものです。

他の2タイプと比べて導入の負担が少ない反面、他社が同じ環境を利用することや、カスタマイズできる範囲が少ないというデメリットがあります。

仮想デスクトップ(VDI)とは何が違うの?

DaaSとVDIには、どの様な違いがあるのでしょうか。

2つの間には、導入形態や運用面・デスクトップ環境が構築されている場所に違いがあります。

そもそもVDIとは、VDIとはVirtual Desktop Infrastructureの頭文字を取った略称で、DaaSと同じくPCのデスクトップを仮想化するシステムのことです。

VDIとDaaSはどちらも端末からサーバ上に存在する仮想デスクトップ環境を操作する部分が同じため、利用者は「変化がない」と思いがちです。しかし、その大きな違いはデスクトップ環境が構築されている場所にあります。

● VDI:自社が運用管理を行うサーバを使用
● DaaS:事業者が提供するクラウドを使用

VDIではデスクトップ環境が自社を構築・運用管理するサーバに展開されますが、DaaSはクラウド上に展開されます。

自社内のサーバで構築されるVDIはセキュリティやトラブル対応も自社で行う必要があり、カスタマイズ性が高いというメリットはありますが、運用コストがかかる・知識を持った人材の用意が必要といったデメリットも挙げられます。

一方DaaSは機材や人材の用意が不必要なため初期費用を削減でき、インフラの管理も事業者が行なってくれることが特徴です。

またVDIと比べてカスタマイズ性は劣るものの運用負担が少なく、社員の増減にも簡単に対応可能といったメリットもあります。

それぞれのメリットとデメリットを確認した上で、自社の環境や条件に合った方を選択することが重要です。

 

デスクトップ環境の場所 導入形態  運用保守  初期費用  カスタマイズ 
VDI  自社サーバー  オンプレミス型 

(自社運用) 

自社  高い しやすい 
DaaS  クラウド上  プライベートクラウド 

バーチャルクラウド 

パブリッククラウド

事業者 

一部自社

低い  限られる 

DaaSのメリット

DaaS_メリット

DaaSには、セキュリティ面に強い・VDIと比べて導入コストが削減できるなどの嬉しいメリットが揃っています。

● 場所を選ばない働き方に向いている
● 初期コストが少なく済む
● 運用を一元管理できる
● 災害時などのトラブル対応が可能
● 柔軟に拡張/縮小できるので無駄なコストを削減できる

ここではDaaSを導入する上記の6つのメリットについて、詳しく解説します。

テレワーク環境に向いている

DaaSはインターネット環境さえあればどこでもデスクトップ環境に接続できるため、テレワークの際も不便さを感じることなく業務を行えます。

またPCやタブレット・スマートフォンなどの端末に関わらずいつでもデスクトップ環境を利用でき、社員がテレワークのために高スペックのPCを購入する必要もありません。

仮想化デスクトップ利用時のデータは全てサーバーに保管されているため、端末の紛失・盗難による情報漏洩などのリスクを防ぐことも可能になります。

クラウド環境に仮想デスクトップを構築しているため、IT管理者もインターネットさえあればテレワーク環境にてユーザー拡張などの対応や、メンテナンスなどの運用管理が可能です。「障害が起きたから、データセンターに行かなきゃ」というシチュエーションがなくなります。そもそも、運用自を自動化できるので運用に必要な工数自体も減らせることができます。

導入コストを削減できる

VDIと比べて初期費用が少なくて済むこともDaaSの特徴の1つです。

VDIは導入時に社内にサーバを設置する必要があるため、下記のような用意が必要です。

● 大容量のサーバ
● 仮想化ソフトウエア
● セキュリティ対策
● ネットワーク環境の整備
● 運用管理を行える専門知識を持った人材

またVDIは、トラブルが発生した際の対応も自社内で行う必要があります。

一方DaaSは、社内のデータセンターが不要なため機材や人材を準備する必要がなく、導入コストを削減できる・導入をスムーズに行えるというメリットがあります。

月額性のDaaSは小規模・低料金からの利用が可能な他、サービス事業者が運用管理を行うため運用の手間が省けることもメリットの1つです。

DaaSは初期費用をかけたくない時だけでなく、迅速な導入をしたい場合にもぴったりなサービスと言えます。

運用を一元管理できる

これはVDIにも当てはまることですが、DaaSには運用を一元管理できるという大変嬉しいメリットがあります。

今まで端末1台ごとに行われていた

● OSやソフトウェアのアップデート
● アプリケーションの管理
● セキュリティ対策のパッチ適用

などを一気に対応できるため、メンテナンスにかかっていた人件費や管理者の業務の負担を減らせます。

また、セキュリティの問題から利用を禁止されているソフトウェアやアプリケーションがインストールされることを防げます。

加えて、常に最新のバージョンにアップデートされている状態を保ったりすることは、セキュリティ対策の1つにもなります。

セキュリティ面に強い

DaaSはデスクトップ環境を配信しているのみで実態はクラウド上にあるため、端末に作業データが残りません。

そのため、テレワークによるデータの持ち出しや端末の紛失や盗難における情報漏洩リスクを防げます。

たとえ端末を紛失したり故障した場合でも、新しい端末を用意するだけですぐに業務を再開することが可能です。

さらにUSBなどの記録装置を使用する必要がないため、情報の持ち出しや漏洩の防止にも効果的と言えるでしょう。

また、セキュリティ面でオススメのパブリッククラウドのMicrosoft Azureです。Microsoft は年間約1100億円をセキュリティ対策に投資をしており、セキュリティ対策チームとAIを活用することで24時間365日体制で監視をしています。外資系ですが、日本のコンプライアンスや法律にも準拠しているので安心して導入できます。

正直、自社でここまでのセキュリティ投資をするのは難しいですが、Microsoft Azureを活用することで安くセキュリティ対策の恩恵を受けられるのは大きなメリットといえるでしょう。

「Microsoft Azureとは」はこちら>>

災害やサイバー攻撃などのトラブルにも対応

DaaSを導入している場合データは全てクラウドに記録されているため、災害で端末に被害が出ても、別の端末を用意するだけで素早く業務を再開できます。

またサイバー攻撃などを受けてしまった場合でも、マスターイメージから修復を行うだけで復旧が可能です。

クラウド上の仮想マシン自体も、2重、3重とバックアップされており災害や障害などでサーバーがダウンしてもすぐに別のサーバー上で復旧が可能です。また、Microsoft Azureの場合は、東日本と、西日本にデータセンターを保有しているのでDRもバッチリ対策できます。

さらにDaaSの嬉しいポイントは、仮想デスクトップを構築している仮想マシン自体の電源を落としておけばコストがかからない点です。災害時にテレワークの対応で必要になったときに電源をオンにすればすぐにDaaS環境を利用できます。

柔軟に拡張/縮小できるので無駄なコストを削減できる

オンプレミス上でVDI導入を検討する場合、「拡張作業も大変なのでちょっと多めに仮想デスクトップを用意した方がいいかな?」とか「でも利用が少なくなったら、その分過剰投資になっちゃうからどうしよう。」と悩むケースが多いです。

なぜなら、拡張するにもサーバ構成から見直して、新たに投資をし、しかも利用できるようになるまで時間がかかるからです。

DaaSであればそのような悩みは一切ありません。

とりあえず必要な人数分だけ導入し、利用ユーザーが増える場合にはクラウド上で30分ほどで拡張作業が完了してしまいます。また、利用しない分については削除してしまうか、仮想マシンの電源を落としておけば課金されることは無いのでコストを最適化することができます。

実際に家具・インテリア販売の株式会社ニトリ様ではDaaSの特性を活かして、

働き方改革の実現に成功しています。

参考:株式会社ニトリ様のDaaS導入事例はこちら>>

まとめ

この記事では、DaaSとVDIの違いやDaaSのメリットについてご紹介しました。

DaaSとVDIの違いは主に以下の様な所にあり、

● デスクトップ環境がある場所
● 運用保守を誰が行うか
● カスタマイズ性
● 初期費用
● 導入形態
● 拡張性

DaaSは導入費用が少なく、管理や運用などの手間のかからない仮想デスクトップを導入したいと考えている人に特におすすめです。

DaaSには、
● 場所を選ばない働き方に向いている
● 初期コストが少なく済む
● 運用を一元管理できる
● 災害時などのトラブル対応が可能
● 柔軟に拡張/縮小できるので無駄なコストを削減できる

などのメリットが揃っています。

多様なワークスタイルへの注目が集まっているこの機会に、DaaSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:ニトリ様DaaS活用事例

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