よくあるDaaSの疑問 製品選定のポイント

 

端末管理や保守の負荷およびデータ漏えいリスクを低減できることからVDIを採用する企業が増えました。ただオンプレミスのVDIでは、ユーザー数や処理能力の急激な増減に柔軟・迅速に対応できません。そのため最近ではオンプレミスのVDIをクラウド上のDaaSにリプレースしたいというニーズが目立つようになりました。しかしいざ検討を始めると「今のVDIに対する不満が本当に解消できるのか」「管理機能などの仕様をそのまま引き継げるのか」といった不安や疑問が湧いてくることが多いようです。そこで本記事では現在オンプレミスでVDIを運用している担当者の方がリプレース時に感じるDaaS導入に関する疑問と、最適なDaaS選定のポイントを解説します。

こんな方にオススメの記事です

  • 現在VDIを運用中だが、DaaSへのリプレースを検討している
  • Citrix・VMwareをそのままクラウド化すべきか迷っている


1. オンプレミス型VDIとDaaSの違い

冒頭でも述べましたが、VDIの大きな問題として、パフォーマンスの低下と運用コストの大きさが挙げられることが多いようです。リソースの追加対応が面倒なため当初のサイジングのまま利用している企業が多く、ユーザー数や業務量が増えると必然的にパフォーマンスが低下します。また物理端末と比較すると運用は容易とはいえ、それでも運用範囲は広く、そのためのコスト(特に外注費・人件費などの人的コスト)が大きな負担になります。

オンプレミス型のVDIと比較すると、DaaSではパフォーマンスが低下しないのが大きなメリットです。リソース調整が柔軟で、社内ネットワークに負荷をかけないからです。またWindows 10からWindows 11へ移行するのも手間はかかりません。その上ハードウェアおよびVDI関連ソフトの管理が不要になるため運用負荷も大きく低減できます。

VDI DaaS 違い

2. DaaS導入に関するよくある疑問に回答!

これらのメリットについてはよく知られているのですが、それでもDaaSへの移行をためらう企業は多いのです。「そもそも満足できるパフォーマンスが出るのか」「利用料金はどの程度かかるのか?」「今のVDIの満足している点はそのまま引き継げるか」という疑問が解消されないからです。

そこで、ここではよくあるDaaSの疑問に回答していきます。

満足できるパフォーマンスは出るのか?

まずパフォーマンスについてです。日商エレクトロニクスでは、リモートワークを推進する企業にとって最も気になるであろうビデオ会議時のパフォーマンスを計測してみました。

その結果、Teamsに最適化した状態での測定では、帯域もCPUも十分に余裕があることがわかりました。したがってパフォーマンスについては不安に思う必要はないと言えるでしょう。

DaaSパフォーマンス計測

※条件
・Wi-Fiを使って通話をする
・クライアント端末のスペック:Intel core i5 / 8GBメモリ
・VDIのマシンサイズ:D2s v3(2vCPU 8GB MEM)
・クライアント端末で開くアプリケーション
パフォーマンスモニター
Horizon Client / Citrix Workspace / RDP Clientのみ
・VDIで開くアプリケーション
パフォーマンスモニター、Teams
Teamsに最適化した状態で測定

 

ただしサイジングの際には現在の利用状況を踏まえ、社内とクラウドの通信量を予測し、それに伴った構成をオンプレミスとクラウドの双方で考える必要があるのは言うまでもありません。

利用料金はオンプレと比べてどの程度変わるか?

利用料金についてです。VDIコンポーネント利用料とクラウドサービス利用料を24時間365日稼働を前提に5年換算で考えると、オンプレミスのほうが安価だという結果が出ました。しかしDaaSに限らず、オンプレミスとクラウドのコスト比較はトータルコストで考えるのがセオリーです。VDIの場合、処理量が増えたときに備えるための余分な投資、パフォーマンス低下に伴う生産性減少分、負荷の大きい運用にかかる費用等が発生します。そこまで考慮した結果、DaaSを採用する企業が増えてきているのが事実です。

DaaS VDI コスト比較

※比較条件
・従業員:300人
・稼働時間:24時間365日稼働
・1人当たりのスペック: 2vCPU / 8GBメモリ / 25GBのプロファイルストレージ
・5年換算を1年に割り戻して計算

さらにAzure Virtual Desktopの場合、マルチセッションによる利用料金の大幅削減や予約割引制度の活用による料金引き下げも可能です。マルチセッションとは、複数人のユーザーがアクセスすることができるOSのことです。従来のオンプレミス型VDIでは、はSBC方式とVDI方式と2通り方法がありましたが、これらの2つのメリットをいいとこどりした機能です。価格について気になる方は。コストをシミュレーションするためのツールを公開していますので、こちらもぜひご活用ください。

 

\簡単、1分でコストが分かる/

Azure Virtual Desktop 価格AVD価格シミュレーション

 

今のVDIの満足している点はそのまま引き継げるか

3つ目に現在のVDIの満足点が引き継げるかを考えてみます。これはDaaSもVDIもベースは同じ仕組みなので、基本的には同じと考えてよいのです。管理機能も基本的に変わりありません。一部のDaaSでは実装されていない機能もありますが、これらは自動化などクラウド側で既に実装されている機能や将来的に廃止することが予定されているものです。あまり気にする必要はありませんが、念のために移行設計時に要件を棚卸しして確認しておくほうがよいでしょう。

オンプレミスのVDIと比較して、DaaSにセキュリティの不安を感じるという声がよく聞かれます。これについては、金融、医療・製薬、行政・公共といったセキュリティに敏感な業界での採用事例が増えている事実と、エンドポイントセキュリティに関してはオンプレミスVDIと同じ対策ができることを挙げておけば十分でしょう。

3. DaaS製品選定時に見るべきポイント

DaaSに対する疑問は解消できてきも、いざ検討する際にどのように製品を選定すればよいのか分からないかと思います。ここでは、Microsoft Azureで導入可能なDaaS製品を参考に選び方のポイントをご紹介します。

ポイント①
既存オンプレミスVDI環境の技術要件をすべてDaaSでも実現したいか

既存でVMware・Citrixをお使いの場合、複雑なVDI要件にも対応できるスペックをお持ちかと思います。DaaSに移行後も同様の管理ができるようにしたい、また閉域網接続でより強固なセキュリティを維持したい場合は、VMware Horizon Cloud with AVDもしくはCitrix Cloud with AVDへの移行がオススメです。

Azure で動く各DaaS製品について詳細を知りたい方はこちら(資料)

ポイント②
管理負荷を削減し、費用を最適化したいか

稼働時間やPCスペックを柔軟に調整して価格を最適化させたい場合はAzure Virtual Desktopがオススメです。上記のVMwareやCitrixなどより複雑な技術要件は満たしにくいですが、その分のライセンス費用は不要となります。また、運用管理もAzureポータルで一元化できますので、サポート時のやり取りなども含めシンプルに運用することが可能です。

ポイント③
DaaSにかかる費用は、従量課金がいいか均一化させたいか

VMware Horizon Cloud with AVD/ Citrix Cloud with AVD/ Azure Virtual Desktopについては基本的にDaaSの利用状況に応じた月額従量課金制となっております。
中には月々のコストを固定化させたい方もいるでしょう。そのような場合は、Windows 365という選択肢もあります。Windows365は利用状況に関わらず、1カ月当たりの利用料金は固定です。また、必要最低限の運用工数にしたい方にもオススメです。

4. まとめ

オンプレミス型のVDIと比較すると、DaaSにはパフォーマンスが低下しないことと運用負荷が抑えられるという大きなメリットがあります。しかし、パフォーマンス、コスト、現在の仕様の引き継ぎ、製品選定のわかりにくさに不安を感じてDaaSへの移行をためらうユーザーが多いのも事実です。しかしこれらの不安は、すべて解消することが可能です。

DaaS導入を迷われている方、不安点などございましたらぜひお気軽にご相談くださいね。

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Azure導入支援デスク 編集部
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