Azure VDI製品特長紹介
Azure上では様々なDaaS製品が利用できますが、企業からの引き合いが多いのは、Azure Virtual Desktop(以下AVD)、Windows 365、AVD with Horizon Cloud、AVD with Citrix Cloudの4つの製品です。Azure を活用したDaaSを導入したいものの、それぞれの製品の特徴や機能の違い、どのように選べばよいのか悩んでいる方も少なくないと思います。

そこで本ブログでは、4つの製品の特徴をご紹介したのちに選び方のポイントを解説していきます。DaaS導入をご検討中の企業様は必見です!

こんな方にオススメの記事です

・Azureで導入できるDaaS製品の違いを知りたい
・製品選定時に押さえておくべきポイントを知りたい

 



1.Azure VDI 4つの製品の特徴とは?

Microsoft Azureで導入できるVDIには、マイクロソフト純正VDIと、VDIメーカーとコラボレーションしたVDIの2パターンがあります。

Azure VDI 2パターン
Azure Virtual Desktop(AVD)はIaaSに仮想化コントロールプレーンを追加してPaaS化したもので、DaaSと呼べる形態です。Azureに関する深い知見とノウハウを持つユーザーであれば、様々なアイデアを実現できるプラットフォームです。

さらに複雑な設計を不要にして、プロビジョニングポリシーさえ用意すれば、あとはライセンスをアサインするだけで自動的にCloud PC(マイクロソフトの用語)が展開されるSaaS型のサービスがWindows 365になります。
裏側の仕組みはAVDと同じですので、Azure ADでユーザ認証をする点や、通信経路はAVDと同じです。

AVD with Horizon CloudおよびAVD with Citrix Cloudは、HorizonやCitrixの持つきめ細かい機能をAVD上でも利用したいユーザーのために用意されたソリューションです。どちらもベースはAVDですが、管理プレーンをそれぞれクラウド版のHorizonとCitrixに置き換えたものです。

それではそれぞれの製品について特徴を見ていきましょう。

① Azure Virtual Desktop(AVD)の特徴

Microsoftが提供するAzureを基盤とするWindows 10 /11のDaaSです。AVDでは、他社のDaaSでは提供されない独自機能を提供しています。その特長を下記にまとめます

 

Azure Virtual Desktop(AVD)特徴

●複数ユーザーでWindows 10/11を同時利用、従量課金部分のコスト削減できる
一般的に、VDIでWindows 10/11を利用する際は1ユーザ1仮想マシンが必要ですが、
Azure Virtual Desktop (AVD)を利用すると1つのWindows 10/11 仮想マシンに複数ユーザーでの同時利用が可能です。これをWindows10マルチセッションと言います。この機能を利用できるのはAzure Virtual Desktopだけです。ユーザーごとに仮想マシンを利用しないことでコスト削減を実現できます。

●Windows7 延長サポートでアプリ延命
Azure Virtual Desktop (AVD)ではWindows 7の仮想マシンも提供しています。延長サポートも利用できるため、Windows 7環境が必要な場合でも安心して利用できます。

●Microsoft 365を快適に使えるテクノロジー
Azure Virtual Desktop (AVD)には、Microsoft 365のログイン速度やパフォーマンス低下を避けるために、キャッシュフォルダーの最適化、プロファイルの高速化などのテクノロジーが搭載されています。

●既存ライセンスの有効活用でお得にVDIを利用できる
Azure Virtual Desktop (AVD)利用に必要なライセンスをすでにお持ちの場合は、追加購入の必要はなく、既存のMicrosoft 365 または Windowsのユーザライセンスを持ち込むことができるのでライセンス費用を抑えることが可能です。

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② VMware Horizon Cloud with AVD の特徴

VMware Horizon Cloud on Microsoft Azureは、デスクトップ仮想化として定評のある、VMwareのHorizonをAzure上で利用できるサービスです。また、本サービスは、単にHorisonをクラウド化しただけではなく、シンプル、無停止、スケールアウトを意識し再設計されています。その特長を下記に挙げます。

VMware Horizon Cloud with AVD 特徴

 

●柔軟な電源管理機能でコスト削減
管理者用UIから電源管理が可能です。適切な停止/起動スケジュールの設定・実行により、電力消費量削減を実現します。

●ユーザー数を指定するだけの簡単展開
ポータル画面より、数クリックで仮想マシンの追加展開や変更ができる。展開済みマシンの効率的な更新も可能です。

●強固なセキュリティ対策
オンプレミスからの閉域網接続でセキュリティ対策を強化することが可能です。

●画面転送に定評あるプロトコルを採用
画面転送に定評のある「PCoIP」「Blast」などのプロトコルを利用しており、リッチコンテンツにも対応しています。

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③ Citrix Cloud with AVD の特徴

Citrix Cloud with AVDは、Citrix CloudとAVDの機能を組み合わせたVDIです。これまで、Citrix Cloudなど従来VDI製品の操作性を引き継いでいるほか、AVDに加えて追加したい機能などを利用することができます。その主な特長は下記です。

Citrix Cloud with AVD 特徴

 

●柔軟な電源管理機能でコスト削減
Citrix CloudのSmart Toolを使うことで、スケジュールに従ってAzure上の仮想マシン電源を制御することができます。

●オンプレミスからの閉域網接続でセキュリティ強化
Citrix Gateway Serviceにより最も近いGEOに接続。StorefrontをAzure内に構成することで閉域網接続を可能にします。

●コストの最適化が簡単
ライセンス状態を常に管理することが可能です。月次の使用状況がわかるレポートを活用することで、ライセンスの最適な利用につなげることができます。

●独自画面転送技術(ICA)による高いパフォーマンス
独自画面転送技術である、ICAプロトコルを採用。RDPプロトコルに比べて使用帯域が少なく狭帯域や遅延にも強いのが特徴です。

●展開済みマシンの効率的な更新
Citrix Cloudにはマスターイメージの更新機能としてMCS (machine creation service)が装備されています。一括展開だけではなく、展開済みのマシンの一括更新や何か問題が起きた際のロールバックも可能です。

●細かいポリシーの設定が可能
AADDS(Azure Active Directory Domain Services)に加えてCitrixポリシーを適用できます。詳細のポリシーを設定することが可能です。

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④ Windows 365の特徴

Windows 365は、Windows 10/11 をMicrosoftのクラウド「Azure」から安全なストリーミング(リモートデスクトップ)で利用することができる、SaaSソリューションです。利用開始までに設計や構築などの複雑な作業が不要な点がほかのVDIやDaaSとは異なる特長です。

Windows 365 特徴

●月額固定の予測可能なコスト
月額費用が固定なので、毎月の利用コストを予測可能です。自社に合わせて、必要なスペックのエディションを選択することができます。

●専門知識不要で利用できる
専門的なVDIやDaaS構築に関する知識は不要。ユーザライセンスを購入しAzureの管理画面からスペックを選択することで、Azure上にWindows のPCを用意。すぐに利用開始できます。

●シンプルな展開・管理
初期設定すれば、ライセンスを割り当てることで自動展開が可能です。 Windows の仮想マシンを簡単・シンプルに展開・管理ができ、必要に応じて追加や拡張しやすいのが特徴です。

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2.Azure VDI製品の選び方は?

これら4種類のDaaS製品を選定する際のポイントは何でしょうか。

Azure VDI 選び方

まず、物理PCと同様の使い方をクラウドで実行したいだけであれば、Windows 365がまず検討すべき選択肢になります。Windows 365には300ユーザーまでのWindows 365 Businessとユーザー上限のないWindows 365 Enterpriseがあります。Businessはライセンス前提なしでAzure ADに参加する形になります。一方Enterpriseはライセンス前提(Azure AD P1、Intune、Win E3相当)があり、ハイブリッドAzure ADに参加する必要があります(つまりオンプレミスADが前提)。その分グループポリシーの適用やカスタムイメージの使用が可能です。

Azureに関する知見やノウハウが十分にあり、より複雑で柔軟な技術要件を実現したいのであれば、AVDを検討することをお勧めします。またオンプレミスでHorizonやCitrixを利用しているのであれば、ほぼそのまま移行できるAVD with Horizon CloudやAVD with Citrix Cloudがまず検討されるべき選択肢となるでしょう。

Windows 365とAVDで迷う場合には、Windows 365が月額固定料金であり、AVDが使用料に応じた従量課金であることが決め手になるかもしれません。コストの均一化を求めるのであればWindows 365、コストパフォーマンスの最適化を目指すのであればAVDという選択になります。

簡単!選び方チャート表

Azure VDI 選び方チャート

 

なお、Azure VDI の選び方についての詳細は、資料にて比較表でまとめています。詳しく知りたい方は下記の資料もご参照ください!

Azure VDI 4製品を徹底比較!ホワイトペーパーはこちら

 

3. まとめ

製品選定について一点だけ補足すると、無理に1種類のソリューションに絞る必要はありません。たとえば自社ユーザーにはAVDを、協力会社や派遣あるいはリモートワークに対してはWindows 365を提供するのはお勧めしたい選択肢の1つです。ただすべてのソリューションを把握して、比較検討するのは時間も工数もかかるので早めに、知見のあるパートナー様にご相談すると良いでしょう。日商エレクトロニクスには、DaaSを含めたVDIに関する豊富な経験と、それに基づくナレッジがありますので、安心してご相談ください。

>>日商エレクトロニクスとは?

またAVD、Windows 365、AVD with Horizon Cloud、AVD with Citrix Cloudの4つのDaaS製品についてもっと詳しく知りたい方は、下記の資料をぜひ参考にしてみてくださいね!

 

\メリットからライセンスの違いまでまるっとわかる!比較表付き/

Azure VDI 製品比較資料

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この記事を書いた人

Azure導入支援デスク 編集部
Azure導入支援デスク 編集部
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