Azure Virtual Desktop (旧 WVD) でのDR構成を考える

BCP

AVD (旧 WVD)をご検討中の皆様、パブリッククラウドご検討時の懸念点の1つに「障害時のサービス継続性」が挙げられるのではないでしょうか。
実際、Azure Virtual Desktop をご検討中の方からは災害時や障害時に迅速に事業を再開できる構成にしたいがどうすれば良いか、というご相談を受けることが多くあります。

そこで今回は、災害や障害など、万が一の際にも従業員がいつもと同じ業務環境で仕事ができるようにするためにどのようにすれば良いのか、AVD導入時のDR構成の考え方と復旧方法を、具体的な構成を元に解説いたします。

こんな方におすすめ

  1. AVDご検討中で、障害時にも事業継続できる方法が知りたい
  2. 具体的に、どのようなサービスを使って構成し、復旧させるのかが知りたい

 

 

1. AVDのDR構成を考えるための3つのポイント

それでは早速、AVD環境導入時にDR構成を考える際のポイントを3つご紹介いたします。

Azure Virtual Desktop  DR

①ネットワークおよびサービスの冗長化
DR先のAzure環境へのVPNや仮想ネットワークを用意しておき、サービスは冗長化しておく

②作成したマスターイメージのコピー
マスターイメージをAzure Site Recoveryでレプリケーションするかリージョンをまたぐ共有イメージギャラリー*を利用

>※共有イメージギャラリーとは
Azure Virtual Desktop  共有イメージギャラリー Image Gallery
共有イメージギャラリーはAVDでDR構成を考える際に必須のサービスですので、補足しておきます。
これは単一イメージを複数地域で一括管理するためのツールで、別サブスクリプションに権限を付与すれば、そのサブスクリプションでイメージを利用することが可能になるものです。
一度に仮想マシンを大量展開する場合にも、設定したレプリカ数しかデプロイしないため、デプロイエラーを起こさず展開可能になります。マスターイメージを更新すると、別サブスクリプションのイメージが最新になるため、バージョン管理も容易です。

③ユーザープロファイルデータのコピー
FS Logixのクラウドキャッシュ(複数先保存機能)やリソースのデータ・レプリケーションを設定(Azure NetApp Filesリージョン間レプリケーションを利用)

 

2. AVD環境の復旧の手順

ここからは、AVDのDR構成を構築してから、実際に障害が発生した際の復旧手順について説明します。

例としてシングルAVD導入環境で考えます。(冗長化されているのはAVDコントロールプレーンのみで、あとは単一という構成です。)
※東日本リージョンがプライマリで西日本リージョンがセカンダリとします。

まず復旧のための準備をしておくことが肝心です。

DR環境の準備
①東日本リージョンにリソースを展開しておく。(この際AVDのセッションホストに共有イメージギャラリーを導入しておけば、事前の展開は不要になります。)
②オンプレミスと西日本リージョンを接続して、拠点を冗長化する。
-仮想ネットワークのネットワーク領域同士もVnetピアリングでピアリングしておきます。
‐さらにファイルサーバーやNetAppのデータ・レプリケーション設定を実施します。

これでDR構成の準備完了です。

東日本リージョンで障害が発生した場合の復旧手順
①データ保存先をセカンダリに設定する
②共有イメージを基に西日本リージョンに迅速にAVDを展開する
③オンプレミス側の設定をセカンダリに向ければ復旧完了。

ポイントは、事前準備をしっかりしておくことです。これによりAzure側の障害を数日以内に回復することができます。

まとめ

最後にDR観点で考えておきたいことをまとめます。
まず大切なことは、利用データとクラウドサービスを冗長化しておき、災害や障害に事前に備えておくことです。
次にオンプレミス拠点を複数に分散し、サービスを冗長化しておくことで、Azure側でオンプレミス側との通信が利用できなくなる障害を事前に防止しておくことです。
さらに大規模障害に対応できる移行計画を策定しておき、訓練やシミュレーションを実施しておくことです。これら3つを実施しておけば、事業継続のためのDRは万全なものとなります。

あとがき

AVDを具体的にご検討中の方へ向けて、DR構成について解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
AVD ご検討時のご不安やご不明点を解消する一助となりましたら幸いです。

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この記事を書いた人

Azure導入支援デスク 編集部
Azure導入支援デスク 編集部
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